【8月28日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は27日、億万長者のジョージ・ソロス氏(95)とその息子のアレックス氏について、右派の標的としてよく知られているソロス一族が全米各地で発生している「暴力的な抗議活動」の黒幕であるという根拠のない主張に基づき、起訴するよう求めた。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「ジョージ・ソロスとその素晴らしい極左の息子は、暴力的な抗議活動への支援など、多くの理由に基づきRICO(威力脅迫および腐敗組織に関する連邦法)で起訴されるべきだ」と投稿した。

これに対しソロス氏が設立した慈善団体「オープン・ソサエティー財団(OSF)」は、トランプ氏の発言を強く非難。

同財団の広報担当者はAFPの取材に対し書面で「これらの非難は言語道断であり、虚偽だ。オープン・ソサエティー財団は暴力的な抗議活動を支援していなければ、資金提供もしていない」と述べた。

同財団は「活気ある民主主義の象徴である言論の自由と平和的な抗議の権利」を支持していると付け加えた。

6月に不法移民取り締まりの強化に抗議するデモがロサンゼルスで勃発(ぼっぱつ)し、ソロス一族をめぐる長年の陰謀論が再び渦巻いた。当時オンラインで、ソロス一族が支援する非営利団体が、警官隊に向かって投げつけるためのれんがを戦略的に配置したとされる複数の画像が拡散したが、AFPを含むファクトチェッカーは、これらの画像が誤りであることを明らかにした。

ハンガリー生まれのソロス氏は、進歩主義運動や米民主党への資金援助を理由に、欧米の極右勢力に長年忌み嫌われてきた。

ソロス氏は、欧州や米南部の国境での移民危機を助長したり、2020年のジョージ・フロイドさん殺害後の警察の残虐行為に対する大規模な抗議活動を組織したりしたとして根拠なく非難されてきた。

ユダヤ人であるソロス氏に対する長年にわたる攻撃は、しばしば反ユダヤ主義に動機付けられていると非難されている。

トランプ氏は27日、トゥルース・ソーシャルに、「ソロスとそのサイコパス集団は、わが国に甚大な被害を与えた! 西海岸の狂った仲間たちもその中に含まれる」「こうした狂人たちが米国をこれ以上引き裂くことを許さない」と投稿。

「気をつけろ、われわれが君たちを監視している!」と警告した。

トランプ氏は以前、2024年にポルノ女優への不倫口止めに絡む事件で有罪評決を受けたが、起訴した検察官をソロス氏が操っていたと主張していた。

ソロス氏は2023年、オープン・ソサエティー財団の経営権を息子のアレックス氏に譲ると発表した。

2024年米大統領選では、アレックス氏はトランプ氏の対立候補だった民主党のカマラ・ハリス前副大統領を熱烈に支持した。

ジョー・バイデン前大統領は今年1月の退任直前、ソロス氏に文民最高の栄誉「大統領自由勲章」を授与した。(c)AFP