【12月20日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)でロシアのアンドレイ・カルロフ(Andrei Karlov)駐トルコ大使が撃たれ死亡した事件で、国内複数のメディアは20日、容疑者の警官は現場の展覧会場で自分の身分証を提示し、武器を所持したまま入場していたと伝えた。

 トルコ紙サバハ(Sabah)によると、メブリュト・メルト・アルトゥンタシュ(Mevlut Mert Altintas)容疑者(22)は会場に入る際、銃を所持していたために金属探知機が作動したが、その場で警察の身分証を提示し、入場を認められたという。

 また日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)は同容疑者について、直近2年半は機動隊員として勤務していたが、事件当日は非番で近くのホテルに宿泊し、現場へ向かった際はスーツとネクタイを着用し、ひげもそっていたと伝えた。

 地元メディアの報道によると今回の事件をめぐり、アルトゥンタシュ容疑者の両親、きょうだい、おじを含む6人が拘束された。

 物議を醸す発言の多いアンカラのメリヒ・ギョクチェク(Melih Gokcek)市長はツイッター(Twitter)に、今年7月のクーデターを首謀した疑いをかけられている在米のイスラム教指導者、フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師のグループとアルトゥンタシュ容疑者にはつながりがあるのではないかとの憶測を書き込んだ。現在のところ、同市長の投稿に当局は反応していないが、政権寄りのサバハ紙は市長の投稿に則した報道を繰り返し、ギュレン師の一派を「テロリスト機構」と呼んで事件の黒幕だと報じている。(c)AFP