【12月20日 AFP】(更新、写真追加)トルコの首都アンカラ(Ankara)で開かれていた展覧会の会場で19日、ロシアのアンドレイ・カルロフ(Andrei Karlov)駐トルコ大使が警察官の男に撃たれ、死亡した。男は「アレッポ(Aleppo)」や「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」などと叫んでいたとされ、ロシア政府は事件を「テロ」と断定した。

 露外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は、大使が銃撃で負った傷により死亡したと発表。同国当局が事件を「テロ」と断定したと述べた。

 テレビ放送された事件発生時の映像には、現場となった展覧会会場で、黒っぽい色のスーツにネクタイ姿の男が銃を振りかざし、手をあげてジェスチャーをする様子が映っている。

 トルコ半国営のアナトリア(Anadolu)通信は、警察が容疑者の男を「無力化」したと伝えたものの、それ以上の詳細には触れていない。アンカラ市長は容疑者の男について、トルコ人警察官だったとしている。

 現場に居合わせた日刊紙ヒュリエト(Hurriyet)の記者はAFPに対し、事件は「展覧会の開幕式で発生した」と説明。「大使がスピーチを行っていた際、スーツ姿の背の高い男がまず空に向かって発砲し、その後大使を狙った」と語った。

 さらに、「男は『アレッポ』や『報復』などと口走っていた。市民らに会場から出るよう命令した。人々が避難している最中に、再び発砲した」としている。また事件を捉えた映像によると、男は「アッラー・アクバル」と叫び、続けてアラビア語でジハード(聖戦)を支持する旨の発言をしていた。

 トルコ国内ではここ数日にわたり、シリア北部アレッポでロシアが人権侵害行為に及んでいると非難する抗議行動が行われていた。(c)AFP/Adem ALTAN with Stuart WILLIAMS in Istanbul