マルキ・ド・サド「ソドム百二十日」の原稿が一般公開へ
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■最終的にはフランス国立図書館に
サドが「世界が始まって以来、最もみだらな物語」と形容した同小説は、ドイツ人精神科医の手にわたった後、1904年にドイツで出版された。
原稿はその後、1929年にサドの子孫であるマリーロール・ド・ノアイユ(Marie-Laure de Noailles)さんの夫の手にわたり、娘ナタリーさんに受け継がれた。
その後、何者かによって盗まれた原稿はスイスへと密輸され、性愛作品のコレクター、ジェラルド・ノードマン(Gerard Nordmann)氏の手に渡った。スイスの裁判所は1998年、原稿は正当に購入されたものであるため、ノアイユ家が所有権を主張する権利はないとの判決を下した。
約10年前にノードマン氏の息子から原稿を買ったレリティエ氏は、「700万ユーロの一部は、法的所有者であるノードマン家に、残りはナタリーさんの相続人であるカーロ・ペローネ(Carlo Perrone)さんに支払う」としている。
レリティエ氏によれば、ド・ノアイユ家にも一部を支払うという取り決めがなかったなら、原稿はフランス当局に押収されていたという。1990年にフランス高裁が、ド・ノアイユ家の訴えを認める判断を下しているためだ。
レリティエ氏によると、5年後に原稿をフランス国立図書館に譲渡するという提案を行ったものの、文化省からは何の返答もないという。(c)AFP/Myriam CHAPLAIN RIOU