【8月5日 AFP】07MLB ニューヨーク・メッツ(New York Mets)vsシカゴ・カブス(Chicago Cubs)。試合は、メッツが8-3でカブスを降した。

■グラビン 史上23人目の300勝

 メッツの先発を務めたトム・グラビン(Tom Glavine)は観戦に訪れた家族の前で、持ち味のコントロールと自らのバットでMLB史上23人目、左腕投手では史上5人目の300勝を達成した。

 立ち上がりを順調な投球で乗り切ると、2回表に迎えた第1打席でグラビンは中前安打を放ち、走者のラスティング・ミレッジ(Lastings Milledge)が先制のホームイン、1-0と自らのバットでリードを奪った。

 グラビンは、7回1死の場面でカブスの7番打者アンヘル・パガン(Angel Pagan)に二塁打を浴びて6安打2失点1四球1奪三振の内容で後続にマウンドを譲ることになったが、観客からスタンディングオベーションで迎えられた。9回から6番手としてマウンドに上がったチームメイトのビリー・ワグナー(Billy Wagner)が最後のアウトを取った後、グラビンはウイニングボールをワグナーから受け取った。

 「勝てれば十分だ」と試合前に語っていたグラビンは、「もし(このような記念となる試合を題材に)ハリウッドの脚本を書くんだったら、完全試合やノーヒット・ノーランか1安打完封といった内容にするだろう。でも僕は、どのような形で勝利を手にしてもそれを受け止めるよ。もし選択権があるのなら、その勝利を誇れるようないいピッチングで飾りたいだろうけど、どうやってその勝利を手にしたかなんて僕は次の日には気にしないよ。」と、投球内容よりも『300勝』を意識するコメントを述べた。

■次に300勝を達成するのは?

 グラビンの前に300勝を達成した投手は、現サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)のグレッグ・マダックス(Greg Maddux)で最も300勝に近いのは、現在284勝をマークしているアリゾナ・ダイヤモンドバックス(Arizona Diamondbacks)のランディ・ジョンソン(Randy Johnson)だが、彼は43歳であることに加え、背中の手術のため戦列から離れている。次にニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のマイク・ムシーナ(Mike Mussina)が246勝、続いてパドレスのデビッド・ウェルズ(David Wells)が235勝を挙げているが、グラビンはこう予想する。「ランディが記録の目の前にいるのは明らかだよね。でも彼の健康を考えると、それはちょっと待ってみなきゃいけない。ゲームには才能を持った選手がたくさんいるよ。ただ、彼らが18、19、20年と健康を維持できるかが重要なんだよ。そこが問題なんだよね。20年前なんか、誰も僕のことなんて注目していなかったよ。だから今はレーダーに反応していなくても、数年後にはみんなが注目するような選手が現れることに僕は確信を持っているよ。」と次世代の選手たちにエールを送った。

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