【5月22日 東方新報】青い煙が立ち上る中、職人の技で茶を仕上げる。5月10日から11日にかけて、第1回武夷山桐木正山小種製茶技術コンテストが、福建省(Fujian)武夷山市(Wuyishan)星村鎮桐木村で開かれた。
紅茶の一種「正山小種」発祥地ならではの資源を生かし、今回の大会には地元12の自然村から12の専門製茶チームが参加した。技術競技を通じて交流の場をつくり、無形文化遺産である伝統製法を継承し、武夷紅茶文化の生きた伝承に活力を与えるとともに、地元茶産業の質向上を後押しする狙いがある。
武夷山国家公園の中心部に位置する桐木村は、世界の紅茶の元祖とされる正山小種の核心的な発祥地だ。恵まれた高山の生態環境、温暖で湿潤な気候、良質な水と土が、独特の風味を持つ正山小種紅茶を育んできた。数百年にわたって受け継がれてきた「青楼」での煙燻という古法技術は、正山小種を他の紅茶と分ける重要な工程であり、武夷茶文化における貴重な無形文化遺産でもある。今回の大会では近代的な製茶設備を使わず、全工程を桐木村の伝統的な木造製茶工房「青楼」で実施し、正山小種の無形文化遺産としての製茶工程を忠実に再現した。
会場では、各チームが役割を分担し、整然と作業を進めた。選手たちは摘み取ったばかりの若い茶葉を背負いかごで「青楼」の煙燻中層部へ運び、古くからの煙燻萎凋技術に沿って、温度と時間を細かく調整した。茶葉の余分な水分をゆっくり抜き、香りの土台を引き出すためだ。その後の揉捻、発酵、煙燻焙煎などの主要工程でも、選手たちは百年続く製茶の決まりを守りながら、一つ一つの細部を磨き上げた。熟練した手仕事によって、正山小種ならではの松煙香と、まろやかで厚みのある茶湯の質感を引き出し、伝統の製茶技術を指先から次の世代へつないでいた。
若い製茶職人の参加は、古い無形文化遺産の技術に新たな活力をもたらしている。出場者の何景潤(He Jingrun)さんは、長年紅茶製造に携わってきた。今回の参加で多くを得たという。何さんは、この大会は貴重な実践の場であり、会場にいる経験豊かな製茶職人たちは皆、自分にとって学ぶべき手本だと話した。参加者の実際の手法や経験の共有を通じて、伝統製茶における細部まで妥協しない職人精神を強く感じたという。
何さんは「製茶に小さなことはない。どの工程もおろそかにはできない。大会では最初から最後まで古法の流れに従い、一つ一つの細部に集中し、正山小種への思いを製茶の全工程に込めた」と語った。現在、伝統的な茶文化に関心を持つ若者が増えている。何さんも若い製茶職人として初心を守り、技術を磨き、同世代の人びとに正山小種を知ってもらい、好きになってもらいたいと考えている。古い無形文化遺産の製茶技術が新世代の手で受け継がれ、新たな命を吹き込まれ、桐木紅茶の文化的な根が守られていくことを願っている。
他の茶類と比べ、正山小種は独自の煙燻萎凋や古法煙燻焙煎といった特徴的な工程によって、非常に分かりやすい松煙香の風味を形成している。長い年月を経て、武夷紅茶の代表的な存在となった。今回の大会は、競技を通じて学びを促し、技を通じて伝承をつなぐ場となっただけでなく、桐木村の製茶従事者の技術水準を全面的に確認する機会にもなった。また、ベテランと若手の職人が交流し、互いに学び合い、技術を共有する質の高い場をつくり、無形文化遺産の継承基盤を固め、伝統を深く掘り下げ、より良い茶づくりを追求する雰囲気を高めた。
武夷山市桐木村農業専業合作社の張蓓(Zhang Bei)理事は、今回の大会は技術競技を通じて産業の力を結集し、特に若い人材が紅茶産業に根を下ろし、伝統技術を深めることを促すものだと述べた。人材の断絶という課題を解決し、桐木紅茶の技術を次世代へ受け継ぐ狙いがあるという。
桐木村は今後も茶文化の発信と茶産業の育成に力を入れる。今年11月には闘茶大会など一連の茶文化イベントを開催する予定だ。武夷紅茶文化の内涵をさらに掘り下げ、茶に関する活動の形を豊かにし、文化で産業に力を与え、技術で高度化を進めることで、武夷紅茶産業の質の高い持続可能な発展を全面的に後押ししていく。(c)東方新報/AFPBB News