【1月13日 senken h】価格とは別の価値観で、本当に良いと思える商品を探し出す喜びは大切にしたいもの。今号では、一期一会の逸品にたどり着くまでのよきパートナー=販売員に注目。「ファスト」ではない、「スロー」なコミュニケーションによって得られる満足がきっとあるはず。 ■「お客様とバイヤーの架け橋を」 インターナショナルギャラリービームス 東真由美さん 個性的で目の肥えたお客が多い影響から、とくにここ1年はキャラが変わったという東さん。「足してもくどくならないね、って言われます」と明るく笑う。客から影響を受け続ける販売員というのも珍しい気がするが、ファッション以外にもアートやサブカルチャーなどいろいろと教えてもらい、それを自分でさらに調べて別のお客様に伝えることで自分の引き出しがどんどん増えるという。そんな刺激的な繰り返しが毎日の販売に生きているようで、つい最近社内のベスト販売員に選ばれた。 もっとも、「うちに来るお客様はやっぱり商品が気に入らないと買われません。販売員は目の肥えたお客様と目の肥えたバイヤーの架け橋。販売員がすごいとか全然ないです」とあくまで謙虚だ。 ■「ショッピングバッグに人の思いを入れて」 シップス 銀座店 村松稔さん 洋服が好きでファッション業界に身を寄せて30年。今では社員の教育や研修も受け持つ村松さん。「お客様が入ったと同時に、その方の好みや色、サイズまでリサーチします」というベテランには銀座店の落ち着いた雰囲気がよく似合う。最近気になるのはお客様と販売員の関係が希薄になっていること。「携帯型ミュージックプレーヤーで音楽を聴きながら入店、試着も断りを入れない。時代かもしれませんが残念です」と語る。お客様が販売員を育てる、販売員にあこがれてお客様が販売員になる、そんな姿をこれまで数多く見てきたからだ。 「大げさかもしれませんが、私たちはお買い物されたお客さんとその商品が紡ぐであろう人生をショッピングバッグに込めることができるのです」。 ■「あなたにフィットする1足を」 伊勢丹新宿店本館1階婦人靴ショップリーダー 本橋紀子さん 靴はサイズやデザインの好みが人によって違うもの。「試し履きしてみると、欲しかったものから別の商品に切り替えて購入される方も珍しくありません」と本橋さん。今は通信販売など、試着せずに靴を購入することも容易になっている。好きなものを手にしていただきたいとしながら、足元を見ると「サイズ選択のミスや明らかに不似合いでは、と思うこともしばしば」。ぴったり合った靴を一緒になって探したいと語る。本橋さんを含め新宿店にはシューカウンセラーが常時30~40人は勤務する。「予約なしでも対応できるのは当店ぐらいでは」。 ハイエンドから国産品まで本店の靴売り場をすべて見ている本橋さん。部下からの相談も多いが、「頼られているのはうれしいです」。 ■「いつもと違う自分でいられる楽しさ」 ランド オブ トゥモロー 丸の内店 内田安也子さん 「販売員は女優みたいに毎日別の人を演じられる。そこが楽しい」。ショップの中で味わう非日常的な空間もこの職業ならではと語る。笑顔を忘れず、お客にはベーシックな販売サービスを提供するだけ、と言うが、内田さんは同社で10人ほどしかいない「セールスマイスター」のひとり。「マイスターなら一生販売員でいられる」と笑って話すが、本気でこの職業にほれ込んでいることがその話しぶりから伝わる。 「来店2回目のお客様が以前の接客を思い出してか、彼女の名前をよく覚えている。存在感は天性のもの」と同僚。今後は「ランド オブ トゥモロー」のファンを1人でも多く増やしたいと目標も明確だ。(c)senken h 【関連情報】 ◆100号特集:探し求めた本物のセールスクラークたち vol.1 senken h 100号記念!特別対談など充実のコンテンツに注目! ◆特集:senken h 100へ