【7月8日 AFP】陸上、米国五輪代表男子チームのババ・ソーントン(Bubba Thornton)監督は、8月に開催される北京五輪でどれだけのメダルを獲得できるかについて予測はしていないが、米国の金の音には耳を傾けることになるだろう。
陸上米国代表チームは、2004年のアテネ五輪では25個のメダルを獲得し、2007年の第11回世界陸上大阪大会(11th IAAF World Championships in Athletics Osaka)では26個のメダルを獲得しており、米国国歌『The Star-Spangled Banner』は北京の表彰式でも多く流されなくてはならない。
北京五輪の米国代表選考会(US Olympic Team Trials - Track & Field)が6日に終了し、「鳥の巣(Bird's Nest)」の愛称で親しまれる北京五輪のメインスタジアムで世界最強の選手に挑むための代表編成を終えたソーントン監督は「(メダルの)数について話したことはない。それは必要とされないプレッシャの一つだ。帰国するときに選手が鼻歌を歌うくらいに国歌を十分に聞ければ良いと思っている。チームができて、水準は上がっている。なんてエキサイティングなグループなんだ。非常に強いチームになるということに疑問の余地はない。選手はここで手にした不思議な力を信じ、北京でも同じものを手に入れるだろう」と語っている。
米国が五輪開催国の中国にメダル総獲得数で上回るためには、陸上競技で最大限にメダルを獲得することが極めて重要となる。
女子チームのジャネット・ボールデン(Jeanette Bolden)監督は「今回は我々にとって最高の五輪となるでしょう。最高の代表選考会でした。最高のパフォーマンスがありましたし、できるだけ多くのメダルを獲得したい。順位が何位であれ、多くのメダルを気持ちよく勝ち取ることになるでしょう」とチームの活躍を予想した。
タイソン・ゲイ(Tyson Gay)は、追い風参考ながらも男子100メートルで9秒68を記録し、選考会で最も驚異的な走りを見せた。しかし、世界陸上大阪大会で達成した100メートルと200メートルの2冠達成の再現を北京で狙っていたゲイは、200メートルの準決勝で左太もも裏を負傷し、その夢が絶たれた。
その男子200メートルは、同種目で3度米国学生王者に輝き、100メートルで2位に入ったウォルター・ディックス(Walter Dix)が制し、ディックスが2冠を狙う選手となった。アテネ五輪で男子200メートルの金メダル獲得したショーン・クロフォード(Shawn Crawford)を抑えて優勝したディックスは「多くの選手が各種目で(五輪出場する資格を得るまでに)4回も走ることはない。何か一皮剥けた気分だ」と語っている。
また女子で2冠を狙っていたアリソン・フェリックス(Allyson Felix)は、200メートルでは優勝したが、100メートルでは5位に終わり代表から漏れている。その女子100メートルを制したダークホースのムナ・リー(Muna Lee)は、「私は大方、勝ち目がないと思われているほうが好きです。ただもうそんなふうには思われないでしょう」と語っている。
世界陸上大阪大会で男子1500メートルと5000メートルの2冠を達成し、今回の選考会でも同2種目を制して代表入りを決めたバーナード・ラガト(Bernard Lagat)は、シドニー五輪の1500メートルでは銅メダルを、またアテネ五輪の同種目では銀メダルをケニア代表として獲得したが、北京では初めて米国代表として五輪に出場する。ラガトは「これで本当に夢がかなった。これまでの旅は順調だった。33歳にして、1500メートルでは新しいランナーになった気分だ」と語った。
男子400メートルでアテネ五輪と世界陸上大阪大会を制したジェレミー・ウォーリナー(Jeremy Wariner)は、選考会の同種目でラショーン・メリット(LaShawn Merritt)に敗れ2位となった。
1980年代にハードルの選手として活躍したブレンダ(Brenda)さんを母親に持つデービッド・オリバー(David Oliver)は、男子110メートルハードルで追い風参考ながらも、計測史上では4番目となる12秒95を記録して、五輪で2度銀メダルに輝いたテレンス・トラメル(Terrence Trammell)を抑えて優勝を果たした。北京では五輪王者の劉翔(Liu Xiang、リュウ・ショウ)が観客の本命となるが、トランメルは「向こうでは、興奮することになるだろうね。観客が彼(劉翔)を応援しているとき、僕は自分が応援されているようなふりをするんだ」と語っている。(c)AFP/Jim Slater