【ニューヨーク/米国 16日 AFP】米政府は15日、2005年のラフィク・ハリリ(Rafiq Hariri)レバノン元首相暗殺事件を裁く国際特別法廷の設置を求める決議案を、今週中にも国連安全保障理事会(UN Security Council)に提出する意向を示した。 米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)国連大使は、「レバノン政府から(国際特別法廷設置への)要請があった」とし、国連憲章(UN Charter)第7条に則って同法廷の設置を求める決議案を英仏と共同で今週中に提出したい考えを示した。 14日には、レバノンのフアド・シニオラ(Fuad Siniora)首相が、「ハリリ元首相暗殺事件を裁く国際特別法廷の早急の設置」を求める書簡を潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)国連事務総長に送っている。 潘事務総長は15日、安保理の大使らとの昼食会に臨んだあと、同決議案への支持を表明。「安保理は、必要な措置をとらなければならない。加害者らは、刑事訴追を免れない」と語った。 レバノンでは、前年11月の閣議で国連から提案されていた特別法廷の設置を承認して以来、シニオラ首相ら反シリア派と親シリア派の野党との対立が深まっている。 ハリリ元首相は2005年2月、大規模な爆破テロにより死亡した。元首相のほか22人の死者を出したこの事件は、レバノン国内に大部隊を駐留させ、約30年にわたり内政を左右してきたシリアの関与が指摘されている。反シリア感情の高まりを受け、シリア軍は撤退を余儀なくされた。 写真は、レバノンのベイルート(Beirut)で15日、デビッド・ウェルチ(David Welch)米国務次官補(中東担当、左)と会談するサアド・ハリリ(Saad Hariri)議員。ハリリ議員は、ハリリ元首相の息子。(c)AFP/MARWAN TAHTAH