【シミバレー/米国 3日 AFP】2008年米大統領選に出馬を表明している共和党候補10人は3日、ロサンゼルス郊外シミバレー(Simi Valley)のレーガン記念図書館(Ronald Reagan Library)で初の討論会を行い、イラク戦争での断固勝利などを誓った。 予備選挙を9か月後に控え、各候補は「イラク戦略」や「イラン核問題」「移民対策」などで論戦を展開している。現在、公認候補の指名争いで、トップを走るルドルフ・ジュリアーニ(Rudolph Giuliani)前ニューヨーク市長や、2番手につけるジョン・マケイン(John McCain)上院議員など、主要候補にとってはこれまでの選挙戦で最大の試練となった。 ■最有力候補はジュリアーニ氏とマケイン氏 ジュリアーニ、マケイン両氏は、民主党候補として有力視されているバラク・オバマ(Barack Obama)、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)両上院議員との決戦となった場合、互角に戦える支持率を獲得している。 しかし、全国調査による政党支持率では民主党50%に対し、共和党は35%と大きく水を空けられている。 ジュリアーニ氏は2001年9月11日の米同時多発テロの際、当時のニューヨーク市長として発揮した指導力が高く評価され、世論調査で序盤から優勢を確保している。共和党員を対象とした調査の支持率は毎回平均33%で、マケイン氏を大きく上回る。 当初は最有力視されていたマケイン氏は序盤で出遅れ、民主党候補も含め圧倒的な資金調達力をもつ候補者が居並ぶ中で精彩を欠き、体勢の立て直しが必要だ。 そのほかの候補者では、前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事のミット・ロムニー(Mitt Romney)氏、俳優で元上院議員のフレッド・トンプソン(Fred Thompson)氏、ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)元連邦下院議長らの知名度が高い。トンプソン氏、ギングリッチ氏は討論会に出席しなかった。 ■アピールする一つの機会、選挙戦離脱者は出ないもよう 中堅候補では、ジム・ギルモア(Jim Gilmore)バージニア州知事、カンザス(Kansas)州選出上院議員サム・ブラウンバック(Sam Brownback)氏、第1次ブッシュ政権で厚生長官を務めたトミー・トンプソン(Tommy Thompson)氏、コロラド(Colorado)州選出の保守派下院議員トム・タンクレド(Tom Tancredo)氏、ダンカン・ハンター(Duncan Hunter)下院議員、マイク・ハッカビー(Mike Huckabee)元アーカンソー(Arkansas)州知事、テキサス(Texas)州選出のロン・ポール(Ron Paul)下院議員が参加した。 テキサス大学(University of Texas)のブルース・ブキャナン(Bruce Buchanan)教授は、初討論会の結果で「ホワイトハウスへの夢を捨て」、出馬を断念する候補はいないだろうと述べる。「各候補がそれぞれの主張を表明して優位に立つためのひとつの機会。直ちにあきらめる候補者はいないだろう」と分析する。 故レーガン大統領やジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領を熱烈に支持する共和党右派の間には、今回の候補者の顔ぶれは物足りないという気分も漂っている。 ■最大の争点はイラク撤退の可否 世論調査によると、大統領選序盤にもかかわらず有権者は民主、共和両党の候補者選びの行方を注視しており、現段階で失態を犯せばたちまち選挙戦から脱落する可能性もある。 世論調査機関The Pew Research Center for the People and the Pressの最新調査では、国民の3分の2がイラクからの軍撤退を支持するなか共和党候補者たちは厳しい選択を迫られている。 同じ調査でも、共和党員のみを対象とした場合には回答者の3分の2がイラク撤退に反対しているため、現時点でブッシュ政権のイラク増派政策から距離を置こうとすることは共和党の候補者にとっては大きな賭けとなる。ブキャナン教授は「選挙戦序盤では、候補者のほとんどはイラク問題で『タカ派』のスタンスをとるだろう」と語る。 マケイン候補はブッシュ大統領のイラク増派計画を強く支持、イラクからの急激な撤退は米国に大きな犠牲を強いると警告しているため世論がイラク撤退に傾くほど逆風に直面する可能性が高くなる。 写真は(上段左から)ジュリアーニ候補、マケイン候補、ロムニー候補、ブラウンバック候補、ギルモア候補、(下段左から)ハンター候補、タンクレド候補、トンプソン候補、ハッカビー候補、ポール候補。(c)AFP