【11月2日 東方新報】中国・四川省(Sichuan)林業草原局の周古鵬(Zhou Gupeng)副局長兼ジャイアントパンダ国家公園四川管理局局長は10月12日、四川省では過去5年間にわたり、ジャイアントパンダやユキヒョウ、キンシコウなどの希少野生動物とその生息地について特別調査を続けてきたと明らかにした。調査結果から、ジャイアントパンダ国家公園では生態系保護の成果が表れており、生息環境の改善や生物多様性の向上が進んでいるという。

周局長は同日、四川省政府新聞弁公室が成都市で開いたジャイアントパンダ国家公園四川区域の設立5周年に関する記者会見で、この5年間の最大の変化として、野生パンダの個体数の回復と、生息地間のつながりの改善を挙げた。

四川区域の重点監視エリア8カ所では、野生パンダの個体数が7.3%増加した。また、崇州市の九竜溝など複数の地域で、これまで確認されていなかった場所に野生パンダが生息している痕跡が相次いで見つかった。

雅安市石棉県では、野生復帰させたパンダが自然繁殖に成功したことが記録され、その子どもとみられる個体も確認された。さらに、生息地を結ぶ7本の主要な生態回廊では、野生パンダの活動が150回以上撮影されており、個体群間の遺伝的交流を促す役割を果たしているという。

パンダの保護を通じて、同じ生息域に暮らすほかの動植物も守られる「アンブレラ効果」も表れている。

過去5年間に植物の新種14種、両生類・爬虫類の新種2種が発見されたほか、滎経県や石棉県ではオオダルマインコなど、これまで生息が確認されていなかった複数の種が新たに記録された。

希少動物の生息状況にも改善が見られる。ユキヒョウの確認地点は年々増加し、キンシコウの個体群は全体として安定しているほか、一部地域では分布域が拡大している。また、綿陽市平武県ではヒョウの活動痕跡が再び確認されるなど、希少動物の生息が相次いで確認されている。

四川省林業草原局の栄全(Rong Quan)局長によると、四川省は過去5年間、野生パンダの生息地保護を目的に国家公園の整備を進め、累計28億8600万元(約681億4423万円)を投入した。

これまでに保護管理施設82か所を新設・改修し、国家公園の境界を示す標識や杭を計3646基設置した。また、省級データセンターや監視プラットフォームの整備にも着手し、野外に設置した赤外線カメラ930台を国家公園の監視システムにリアルタイムで接続した。これにより、衛星や航空機、地上設備を組み合わせた総合的な監視体制の構築を進めている。

同省は法的な監督体制を強化するとともに、生息地の環境改善にも取り組んできた。これまでに約34万ムー(約2万2700ヘクタール)以上の生息地を修復し、平武県、九寨溝県、黄土梁などを結ぶ7本の主要な生態回廊の整備を重点的に進めている。

研究面では、中国科学院など40以上の研究機関との連携を深め、約300件の共同研究プロジェクトを実施した。

さらに、青川県の青渓や滎経県の竜蒼溝などでは、自然保護と地域社会の発展を両立させる取り組みを進めており、生態観光などの体験活動には年間平均延べ300万人以上が参加しているという。(c)東方新報/AFPBB News