【10月28日 AFP】スペインのサッカー名門レアル・マドリードは28日、所属するキリアン・エムバペ選手による中国建国の指導者、毛沢東に関する発言をめぐり、中国側に謝罪した。エムバペ選手の発言はSNS上で激しい反発を招き、中国の国営テレビ局がスペイン1部リーグ、ラ・リーガの試合中継を停止する事態に発展していた。

中国では、1976年に死去した毛沢東に関する冗談や批判は今もタブーとなっている。毛沢東の政策をめぐっては、大規模な飢餓や数百万人の死を招いたと歴史家から批判されている。

問題となったのは、仏番組「ザ・ブリッジ」の動画インタビューだ。この動画でエムバペ選手は、自身を使ったネット上のミーム画像で最も面白かったものは「自分の顔が誰かの体に合成されたもの。確か中国の独裁者だったと思う」と発言。動画はすでに削除されているが、これは毛沢東を指した発言とみられる。

レアル・マドリードは声明を発表し、「キリアン・エムバペ選手の最近の発言によって中国の人々に不快な思いをさせたことについて謝罪する」と述べ、「本人が自身の発言を悔やみ、中国の人々への敬意を改めて表明した公の謝罪に、クラブとしても同調する」とした。

エムバペ選手は27日、フランス語、中国語、英語での声明で、「私の発言は軽率だった。中国や世界各地の中国系コミュニティーの多くの人々を傷つけたことを今は理解している。私の言葉で不快な思いをさせたすべての人に謝罪する」と述べていた。

この謝罪を受け、中国外務省の郭嘉昆報道官は28日の定例記者会見で、「当事者による謝罪を重く受け止めている」とコメントした。

これに先立ち、中国共産党系メディアの環球時報は社説で、「クラブが長年にわたりこうした行為を容認してきたことが、エムバペ選手の今回の不適切な発言につながったことは容易に分かる」と批判していた。

中国飲料大手の東鵬飲料は27日、エムバペ選手との提携を解消したと発表。同社は今年のサッカー・ワールドカップ(W杯)期間中、人工知能(AI)で生成したエムバペ選手の画像を使った広告を展開していた。蒙牛乳業などの乳製品大手も、同様に提携解消を発表した。(c)AFP