【10月25日 AFP】世界中のウェブサイトの多くで使われているプログラミング言語「PHP」に二つの重大な脆弱(ぜいじゃく)性が見つかり、企業や政府機関は今週、修正プログラムの適用に追われた。

ハッカーに悪用される恐れがある脆弱性の一つは、米オープンAIの高性能な人工知能(AI)モデルを使って発見された。AIのサイバーセキュリティー分野での能力を示す、これまでで最も注目を集めた事例の一つとなった。

AFPは、ソフトウエアの脆弱性がAIツールによってかつてない速さで発見されるようになるなか、今回の事例が何を意味するのかについて、サイバーセキュリティー問題に取り組む非営利団体「Cyber Threat Alliance(CTA)」のマイケル・ダニエル代表に話を聞いた。ダニエル氏は、バラク・オバマ元米大統領の政権下でホワイトハウスのサイバーセキュリティー・コーディネーターを務めた。

Q:今回のPHPの事例から何が分かるか。

A:高度なAIモデルの能力を考えると、かなり混乱した時期の始まりだと思う。私は何年も前から、AIモデルが高速かつ大規模に脆弱性を発見できるようになれば、当然の帰結として、膨大な数の脆弱性が見つかるようになると指摘してきた。

米国家安全保障局(NSA)でサイバーセキュリティー部門の責任者を務めたロブ・ジョイス氏は、これを古いソフトウエアを一掃する「大規模な森林火災」に例えている。私は、これまで蓄積してきた「技術的負債」のツケを払う時が来たと表現している。

これまでは、ソフトウエアをできるだけ長く使い続ける方が経済的に有利と考えられ、使用に伴うこうしたリスクをコストとして十分に考慮してこなかった。古いソフトウエアを使い続けても、帳簿上は直接的な費用が発生しない。しかし実際にはコストが存在しており、今回のような事態が起きるまでは、表面化していないだけだ。