孔子の故郷で文化祭り 伝統文化を身近に体験
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【10月25日 東方新報】中国・山東省(Shandong)曲阜市(Qufu)の旧市街にある五馬祠街で9月下旬、「2026中国国際孔子文化祭」の主要イベントの一つとして、「斯文恵万家」と題した孔子(Confucius)文化祭りが開催され、多くの人でにぎわった。無形文化遺産の実演や伝統文化の体験、文化創意製品の販売などを通じて、これまで格式高いものとされてきた伝統文化を、人びとの日常生活の中で身近に楽しめる催しとなった。
会場には、楷木(かいぼく)を使った伝統的な木彫工芸や、孔子ゆかりの尼山で採れる石を使った硯(すずり)、割れた陶磁器を金属のかすがいで修復する伝統技法「鋦芸(きょげい)」、色ガラスの焼成技術など、さまざまな無形文化遺産が紹介され、多くの市民や観光客が足を止めて体験を楽しんだ。
地元の農産物や特産品、文化創意グッズなども並び、来場者は屋台を巡りながら買い物や地元の味覚を楽しんだ。会場には、無形文化遺産、グルメ、特産品の3エリアに計46の販売ブースが設けられた。
中国の国家級無形文化遺産に指定されている曲阜楷木彫刻の省級代表的伝承者、褚徳勝(Chu Desheng)氏は、孔子像や縁起物の「如意」などの工芸品を出品した。
褚氏によると、楷木彫刻には2000年以上の歴史があるとされ、孔子の弟子である子貢(Zi Gong)が楷木を使って孔子とその妻・亓官(Qi Guan)氏の座像を彫ったことが起源と伝えられている。現在では、立体的に彫る丸彫りや浮き彫り、透かし彫りなど、多様な技法が発展している。褚氏は「今回は観光客が持ち帰りやすいよう、小さな工芸品を中心に用意した。文化をお土産として持ち帰ってもらいたい」と話した。
中国伝統医学を学ぶ大学を卒業した孔子の76代目の子孫、孔令安(Kong Lingan)氏は、伝統的な灸(きゅう)の施術を会場で紹介した。孔氏は「古典『荘子』の『盗跖』篇には、孔子が病気でなくても灸を据えたという記述があり、『孟子』にも長年の病には十分に乾燥させたヨモギを用いるべきだという教えがある。灸は古くから儒家文化と結び付いてきた」と説明した。
また、灸は伝統的に経絡を温め、体調を整えるために用いられており、地元でも親しまれているという。スリランカ出身の留学生、上海天(Shang Haitian)さんは、金属や石に刻まれた文字や模様を紙に写し取る伝統技法「拓本」を体験した。上海天さんは「祭りのどの催しも面白く、いろいろ試してみたくなる。以前は孔子の名言を本や授業で学ぶだけだったが、今回の体験を通じて、孔子文化をより具体的に理解できた」と話した。
曲阜市の儲艶麗(Chu Yanli)副市長は「孔子文化祭りを開催する最大の目的は、儒家文化を書物の中だけにとどめず、街や人びとの暮らしの中に広めることだ」と説明した。
同市は、誰もが親しみやすく、質が高く、活気に満ちた文化イベントとして祭りを発展させ、孔子ゆかりの地である曲阜の開放的で多様な魅力を発信するとともに、市民や観光客に伝統文化の豊かな生命力を感じてもらいたいとしている。(c)東方新報/AFPBB News