【10月14日 AFP】フランスのジャンノエル・バロ外相は13日、米実業家でX(旧ツイッター)を所有するイーロン・マスク氏が欧州の首脳らに対して「オンラインでの嫌がらせ」を展開していると非難し、2027年フランス大統領選に干渉してくる恐れがあるとして懸念を表明した。

バロ氏は、極右政党「国民連合(RN)」の指導者マリーヌ・ルペン前党首がこれまでで最大の勝機があるとみられるフランス大統領選を前に、「民主主義の敵はわれわれを不安定化させるためにあらゆる手段を講じてくるだろう」と警告した。

バロ氏は、パリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)が主催した会議で、「彼らはわれわれの分断につけ込み、移民、政教分離、イスラエル・パレスチナ紛争といった問題を利用して憎悪と緊張をあおっている」と述べた。

また、イスラエルのある企業がフランス人を装った偽アカウントを作成し、イスラエル・パレスチナ紛争に関する投稿を行っていたと指摘した。ただし、企業名は明らかにしなかった。

バロ氏はさらに、マスク氏についても「自身のSNSの拡散力を利用して各国の国内議論に影響を与えることを目的に、欧州の首脳らに対して大規模なオンラインでの嫌がらせを展開している」と批判した。

フランスでは、教育環境の改善を求める高校生らのデモが数週間続き、社会が揺れている。バロ氏は、デモに関するネット上の一部の情報発信について、ロシアや中国、イラン、さらにはドナルド・トランプ米大統領の強硬右派運動「MAGA(米国を再び偉大に)」に由来する「敵対的な言説」が目立つと指摘した。

トランプ氏は先週、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「フランスで起きていることは、制御不能な大量移民にほかならない」と投稿し、「これは学校の問題ではない。イスラムが、かつて偉大だった国を乗っ取ろうとしているのだ!」と続けた。主張の根拠は示していない。

これを受けマスク氏は、Xのフォロワー2億4150万人に向けて、「ゆっくりと進む侵略だが、それでも侵略であることに変わりはない。そして、この侵略を支持する者は国賊であり、すべての国賊と同じ運命をたどるべきだ」とコメントした。

バロ氏は、フランス政府として対抗措置を取ると表明した。

一方、英国のアンディ・バーナム首相は12日、英国の欧州連合(EU)離脱につながった2016年の国民投票について、ロシアが干渉していたことは「明らかだ」と述べた。(c)AFP