【10月9日 AFP】中国は8日、世界保健機関(WHO)の次期事務局長選に候補者を擁立したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を巡る中国の情報公開の透明性には依然として疑問が残っているにもかかわらず、WHOでの影響力拡大を目指している可能性がある。

中国外務省の毛寧報道局長は記者会見で、来年8月に任期満了となるテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長の後任を決める選挙に、母子保健政策の専門家である宋莉氏を擁立したと述べた。

WHOのウェブサイトによると、宋氏は中国国家衛生健康委員会で児童保健分野の幹部を務めた。

中国メディアによると、宋氏はその後、中国共産党の指導下にある女性団体「中華全国婦女連合会」の幹部となった。

ドナルド・トランプ米大統領は以前から、特に新型コロナのパンデミックを巡り、WHOを「中国の操り人形」だと非難してきた。2025年1月の大統領復帰後には、米国をWHOから脱退させた。

新型コロナの最初の感染例は2019年末、中国・武漢で確認された。トランプ政権は、ウイルスが武漢のウイルス研究所から流出したと考えている。

WHOによると、新型コロナのパンデミックによる死者は推計2000万人に上る。パンデミックは各国経済に深刻な打撃を与え、医療体制をまひさせ、人々の生活を一変させた。

WHOによる新型コロナの起源調査では結論が出ておらず、すべての仮説が依然として排除されていない。

テドロス事務局長は中国に対し、流行初期のウイルスの遺伝子配列データを提供するよう求めている。

米国の脱退に伴い、中国はWHOの分担金拠出額で日本とドイツを上回り、最大の負担国となった。

ただし、WHOの財源では、義務的な分担金よりも任意拠出金の方が大きな割合を占める。

2024~2025年の2年間、中国は分担金と任意拠出金を合わせた拠出総額では、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団や米国などを下回り、8位にとどまった。

宋氏が選出されれば、2007~2017年のマーガレット・チャン(陳馮富珍)氏に続き、2人目の中国人WHO事務局長となる。(c)AFP