第83回ベネチア映画祭 金獅子賞はデンマークの『Woman Unknown』
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【9月13日 AFP】第83回ベネチア国際映画祭の授賞式が12日に行われ、ナチス占領下のデンマークで過去の人間関係を隠そうとする女性の姿を描いたデンマーク作品『Woman Unknown』(原題)が最高賞の金獅子賞に輝いた。同作はコンペティション部門で唯一、女性監督が単独で手掛けた長編映画だった。
メイ・エルトーキー監督の『Woman Unknown』は、これまで取り上げられることが少なかったテーマを取り上げたことや、同部門21作品のうち女性監督がほぼ皆無だったということを背景に大きな話題を集めていた。21作品のうち、女性監督が関わった作品は、イスラエルによるガザ攻撃を描いたドキュメンタリー作品『NAZA』(原題)を共同監督したイスラエルのラヘル・ショール氏と、エルトーキー監督の2人のみだった。
授賞式でエルトーキー監督は「『Woman Unknown』は、戦場であり、社会全体の問題として扱われてしまう女性の身体を描いた映画だ。同時に、不可視化され、見過ごされ、声を奪われてきた女性たちの物語でもある」と語った。
銀獅子賞(審査委員大賞)は、韓国のイ・チャンドン監督による『もしもの愛』が受賞。切ない人間関係の考察劇である同作は今大会で最も高い評価を受けた作品の一つとなった。
監督賞は、ロシア出身のイリヤ・フルジャノフスキー監督が獲得した。受賞作『DAU. 退行』は、旧ソ連の核開発計画を支え苦悩した物理学者レフ・ランダウの生涯を描いた膨大で型破りな実験的映画プロジェクトだ。
20年前に制作が始まった同作は3時間を超える大作。2000人が携わった同作の撮影中、多くの出演者がフルスケールで再現されたソ連の秘密研究所内で何か月も役になりきって生活した。
監督は「誰もが完成を信じたわけではなかったが、私は常に信じていた」と語り、受賞を「自由のために凄惨な戦争を戦っているウクライナの人々」に捧げた。
男優賞は、ブラックコメディー映画『ワイルド・ホース・ナイン』のジョン・マルコヴィッチに贈られた。1973年にクーデターが起きる直前のチリ・イースター島で、同僚と休暇を過ごす、世をすねたベテランCIAエージェント役を演じた。
米映画誌バラエティは、マルコヴィッチ氏が「賞レースの話題をさらっている」とし、米アカデミー賞で主演男優賞を初めて獲得する可能性があると予想している。
女優賞を受賞したのは『Woman Unknown』で長編映画デビューを果たしたデンマークのマチルド・アーセル。ナチス占領下のデンマークで、かつてナチス関係者と交際していた恥ずべき過去を必死に隠そうとする結婚間近の女性を演じた。
アーセルはステージ上で涙ながらにトロフィーを抱き締め、「夢なら本当に覚めてほしくない」と喜びを語った。