【9月14日 CNS】一斉値上げ、業界団体による価格協定、不適切な料金徴収――。

最近、中国国家市場監督管理総局は、一部の自動車教習機関で行われていたこうした不適切な行為を公表し、名指しで批判するとともに是正に乗り出した。公式データによると、2022年以降、全国の市場監督管理当局が処理を終えた、または現在処理中の自動車教習をめぐる独占禁止法関連案件は計12件で、10余りの省にまたがり、100校を超える自動車教習所が関係している。

一見すると、これは業界で横行する問題に対する通常の取り締まりにすぎない。違反した事業者が処分され、改善すべきところが改善されるというものだ。しかし、この規制強化のニュースを業界の現状と合わせて見ると、その背景には需給バランスの崩れによる業界の深刻な経営難が浮かび上がる。

少し前には、今年の夏休みという自動車教習の繁忙期にもかかわらず、山東省(Shangdong)済南市(Jinan)のある教習所では、15台ある教習車のうち実際に使われていたのはわずか4台で、残りは隅に止められたままだったと報じられた。

多くの人が記憶する夏休みの教習所といえば、炎天下で1台の車を何人もの受講生が囲み、自分の番が来るのを待ちながら、コースを一周、あるいは半周だけ練習するといった光景だった。

しかし今、そうした光景は姿を消している。これは一部の人だけの印象ではない。業界大手の東方時尚(Eastern Pioneer)を例に挙げると、2022年から2025年まで4年連続で赤字となり、2025年の売上高は6億1800万元(約146億3139万円)、純損失は7億4500万元(約176億3817万円)に達した。業界最大手ですらこの状況なのだから、中小の教習所がどのような状態にあるかは想像に難くない。

何が問題なのか。なぜ教習所はここまで苦境に陥ったのか。まず、データの変化を見てみよう。中国公安部の公式統計によると、2017年に全国で新たに運転免許を取得した人は3054万人だったが、2025年には2051万人まで減少した。

一方、供給側では、かつて相次いで市場に参入した自動車教習機関が、今になって簡単に業態転換できるわけではない。あるデータによると、中国全土に2万1000を超える自動車教習機関があるが、8割以上の教習所が利益を上げられておらず、設備や人員などの平均稼働率はわずか28.6%にとどまっている。

中国交通運輸協会の自動車教習部門などが発表した「中国自動車教習業界発展報告(2025)」は、自動車教習市場が縮小局面に入る中、供給過剰がますます深刻になっていると分析している。

さらに教習所にとって深刻なのは、需要の縮小が単なる一時的な景気変動ではないとみられていることだ。「今は運転を習う人が本当に少なくなった」。ある教習所の教官はメディアの取材にこう語った。「00後(2000年代生まれ)」の若者の間では、運転免許の取得を急がない人が増えており、かつて卒業時の「定番」とされていた免許取得が、徐々に個人の選択肢の一つへと変わっている。

業界の専門家も、若者の「教習所離れ」の背景には消費意識の根本的な変化があると分析する。「00後」は必要に応じて消費する傾向があり、従来の自動車教習の体験に対する不満も重なり、免許取得を先送りしたり、取得そのものを諦めたりする若者が増えているという。

消費意識の変化だけではない。より現実的な問題として、運転を習わなくても移動にはほとんど困らなくなっている。中国交通運輸部のデータによると、2025年末時点で、31の省・自治区・直轄市と新疆生産建設兵団を合わせて54都市で、計343路線の都市鉄道が運行されている。公共交通網が密に整備されたことで、都市内の移動手段は大幅に増えた。

同時に、配車サービスもすでに広く普及している。2026年6月末時点で、全国では401社の配車サービスプラットフォーム運営会社が営業許可を取得している。スマートフォンに配車アプリがあれば、必要な時にすぐ移動できる環境が整っている。

公共交通や配車サービスが「乗る車があるか」という問題を解決したとすれば、近年急速に発展する自動運転技術は、「そもそも人が運転する必要があるのか」という根本的な問題に関わってくる。レベル3(L3)の自動運転が徐々に大規模な実用化へ向かい、レベル4(L4)の商用化も加速する中、人々は移動のあり方そのものが大きく変わる可能性を意識し始めている。

「自動運転が普及した後、車を操ること自体に楽しさを感じるのであれば、運転を趣味にすることもできる。今でも自転車や馬に乗ることを楽しめるのと同じだ」。自動運転大手企業の幹部は以前、三里河中国経済観察の取材に対し、今後の傾向についてこう語った。

つまり、多くの人にとって、運転技術を身につける必要性そのものが薄れていく可能性がある。では、最初の問いに戻ろう。なぜ自動車教習所は衰退しているのか。答えはシンプルだ。時代が変わり、人々の移動に対する考え方そのものが根本から変わりつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News