【9月4日 AFP】スペインの左派ペドロ・サンチェス首相は3日、7月末に起きた北アフリカのスペイン領セウタへの不法移民殺到をめぐり、モロッコの治安部隊が控えめに言っても「完全に容認」していたと警察の報告書で指摘されたのを受け、モロッコが不法移民の殺到を画策したことを示す「確証」はないと主張した。

一方で、モロッコ閣僚のセウタをめぐる発言については「容認できない」と激しく批判し、公の場での異例のモロッコ批判を展開した。

7月30~31日の2日間で、モロッコからセウタに不法移民7万人以上が流入した。この際の混乱で、防波堤の周りを泳いで不法入国しようとした多くの人々が水死するなど、多数の死者が出た。

サンチェス首相率いる左派政権は、この問題でモロッコへの批判を一貫して避け、同国とのデリケートな二国間関係の改善に努めてきた。

だが、AFPが確認したスペイン警察の報告書は、「モロッコ警察の対応は、控えめに言っても完全な容認だった」とするだけでなく、一部の警察官が不法移民を海から侵入するよう誘導するなど、殺到を助長したと指摘した。

セウタに入った不法移民たちの証言によると、国境周辺のモロッコ警察の配置は「明らかに通常よりも小規模だった」。

報告書は「モロッコ警察は国境周辺から群衆を減少、解散、または移動させようとする真剣な試みを一切しなかった」とも指摘した。

サンチェス首相は3日の議会演説で、警察、司法機関、あるいは国際機関のいずれも「モロッコが本件を計画または実行したという確たる証拠をスペイン政府に提出していない」と述べた。

不法移民殺到の数日後、モロッコ側の消息筋はAFPに対し、陸上国境検問所での警戒の「緩み」を否定した。

モロッコ内務省は不法移民殺到について、SNSの「悪用」や「誤解を招く情報の拡散」が原因だと主張している。