AI技術、中国ゲーム産業への浸透が加速
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【8月26日 CNS】ゲーム業界はもともと人工知能(AI)へのニーズが高い。ゲーム産業はインタラクティブな場面が豊富で、制作システムも成熟していることから、AIの実用化が進んでいる分野の一つとなっている。コンピュータエンターテインメント協会(CESA)のデータによると、日本のゲーム会社54社を対象とした調査では、半数を超える企業がすでにゲーム開発に生成AIを活用している。中国の業界データでも、2025年には中国のゲーム研究開発分野におけるAIの普及率が86.36%に達した。
ゲーム制作におけるAIの活用は、すでに「選択肢」から「必須」へと変わりつつある。グーグル・クラウド(Google Cloud)とオンライン調査会社ハリスポール(Harris Poll)が2025年半ばに発表した調査報告によると、回答者の90%が何らかの形でAIを開発ワークフローに組み込んでおり、87%がAIエージェントを使って作業の効率化を図っている。
先ごろ中国・上海市で閉幕した第23回ChinaJoyは、「AIと共に遊ぶ」をテーマに掲げた。人工知能を中心に据えた今回の展示会は、ゲーム業界の今後の発展方向を示すものとなった。
ゲーム制作におけるAIは、概念の提示から、研究開発、配信、運営までの全工程をカバーする実用段階へと移行している。ChinaJoyでは今回初めて、革新的なゲームを体験できる「Next Play」が設けられた。一般来場者は、一文の指示や1枚の画像を使ってAIエージェントと連携し、シーンやキャラクター、アセット、基本的なゲームプレーを生成。短時間で、実際に操作でき、その後も修正を加えられるゲームや3D世界を作ることができる。
中国の大手ゲーム会社では、すでにゲーム制作の全工程にAIを導入する取り組みが進んでいる。今年のChinaJoyでは、騰訊(テンセント、Tencent)が「代号Craft」「LAP拉普」「MagicDawn」「MagicLomix」の自社開発AIツール4製品を出展し、ゲーム開発、リアルタイムレンダリング、アート制作など幅広い工程をカバーした。
このうちAIゲーム制作プラットフォーム「代号Craft」は、ゲーム制作のハードルを大幅に下げた。ユーザーが簡単な文章で指示を入力するだけで、システムが20分以内に実行可能なゲームを生成できる。2D、3Dなどさまざまなジャンルに対応し、クラウド上にある2万点を超えるアセットを利用できるため、ゲーム制作には専門チームや大量のリソースが必要だという従来の壁を崩し、個人開発者にとって技術面やリソース面でのハードルを引き下げている。
中国のゲーム会社、上海米哈遊網絡科技(miHoYo)の共同創業者、蔡浩宇(Cai Haoyu)氏が新たに設立したAnuttaconは、2025年8月にゲーム『Whispers from the Star』をリリースした。「一人称対話(FPT)」というゲームプレーを採用し、プレーヤーとバーチャルキャラクター「Stella」とのリアルタイムの会話に応じて、AIがストーリーの分岐構造を動的に再構築する。今年5月には、米哈遊CEOの劉偉(Liu Wei)氏が、今後3年間で最大1000億元(約2兆3636億円)をAI大規模モデルに投じる計画を公表。独自の特化型大規模モデル「Glossa」、エージェントシステム「Echo Agent」、AIGCプラットフォーム「AJI」の開発を全面的に進め、7月にはAIコンパニオンアプリ「BSide: Olivia Lin」をリリースした。
AIが中国のゲーム業界にもたらす影響は、すでに「コスト削減と効率向上」という初期段階を超えている。当初のアート制作やコーディングの効率化から、コンテンツ生成、ゲームプレーの検証、アイデア創出支援など、制作そのものにAIを活用する段階へと進んでいる。
これまではAIが生成するコンテンツの品質にばらつきがあったが、現在ではAIエージェントが制作チームに驚くようなアイデアを提供することもある。米哈遊の人気ゲーム『崩壊』シリーズの開発チームでも、こうしたAI活用が進んでいる。同チームは、AIエージェントがさまざまな作業を行える社内システムを構築。ゲームエンジンの不具合を自動分析したり、動作テストを行ったりするほか、ゲームの新しいアイデアを検証する際にもAIを活用し、開発期間の短縮につなげている。
AIの導入によってゲーム開発の技術的なハードルは下がった一方、アイデアをめぐる競争はさらに厳しくなっている。中国音像・デジタル出版協会の常務副理事長兼秘書長、敖然(Ao Ran)氏は、「ゲームの生命力は、依然として人間の想像力、感情、文化表現から生まれる。技術活用の成果も、プレーヤーの実際の体験を通じて検証する必要がある。ツールがどのように進化しても、文化的価値を守り、プレーヤーの体験を尊重し、質の高いコンテンツを追求することが、業界発展の重要な着地点であることに変わりはない」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News