2025年5月22日、ソウル市内の飲食店に貼られた納税告知書の到着案内と融資のチラシ=写真は記事の内容と直接関係ありません(c)NEWSIS
2025年5月22日、ソウル市内の飲食店に貼られた納税告知書の到着案内と融資のチラシ=写真は記事の内容と直接関係ありません(c)NEWSIS

【08月24日 KOREA WAVE】韓国で景気低迷が長期化するなか、自ら命を絶つ自営業者が急速に増えていることが分かった。小規模事業者への心理・精神面の支援が急務だとの指摘が出ている。

警察統計年報などによると、自営業者の自殺者数は2024年に1321人となり、2015年の879人から442人、50.3%増加した。2024年の自殺者全体1万4845人の8.9%を占めた。

韓国全体の自殺者数は2015~2024年の10年間で10.5%増えたのに対し、自営業者は50.3%増と伸び幅が大きかった。自営業者の自殺者数は2017年927人、2019年1031人、2021年925人、2023年1179人、2024年1321人と推移した。

年代別では50代が31.3%で最も多く、40代が29.3%、60代以上が18.8%だった。

背景には、小規模事業者の売り上げ減少や廃業、景気低迷が本格化した新型コロナウイルス禍の影響が大きいとみられている。その後も景気低迷が長引き、営業難に加え、廃業の危機に追い込まれる自営業者が増えている。

こうした状況を受け、小規模事業者の精神的な危機を早期に発見し、支援につなげる取り組みも進んでいる。

小規模事業者市場振興公団は、自殺の高リスク層とされる「50代男性の小規模事業者」への精神面の支援を本格化した。50代男性の主な自殺動機のうち「経済生活上の問題」が53%を占めており、経済支援とともに心理・情緒面での先手を打った対応が必要とされている。

同公団は韓国生命尊重希望財団と協力し、地域社会を基盤とした支援網を構築する。小規模事業者支援センターと自殺予防センターの1対1の連携を35カ所から61カ所へ拡大し、高リスク層の発見や介入、相談機関への連携、自殺予防教育などを進める。

地域センターには、うつ病のスクリーニング検査「PHQ-9」も設置する。高リスクと判断された場合は専用相談電話「109」や地域の自殺予防センターにつなぎ、専門的な相談や管理を受けられるようにする。

廃業を検討している人や、すでに事業を整理した小規模事業者の心理的回復と再起も支援する。韓国山林福祉振興院などと協力し、歩行や瞑想などを取り入れた心理回復プログラムを運営するほか、専門コンサルタントによる1対1の相談も提供する。

心理支援だけでなく、緊急経営安定資金や信用力の低い小規模事業者向け資金、再挑戦特別資金などの低金利融資制度も運営している。

同公団の関係者は「内需低迷により一部の小規模事業者が深刻な状況に追い込まれていることへの社会的懸念が高まっている。物質的な支援だけにとどまらず、心理・情緒面でも支援し、命を守る安全網を構築したい」と話した。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News