韓国製迎撃ミサイル「天弓II」に海外から熱視線…パトリオット不足で追加受注期待
このニュースをシェア
【08月16日 KOREA WAVE】韓国製の中距離地対空誘導兵器「天弓II」が、世界の防空市場で代替兵器として注目を集めている。米国とイランの戦争で誘導兵器の戦略的重要性が浮き彫りになる一方、米国の最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」やパトリオットの在庫不足への懸念が重なり、「韓国型パトリオット」と呼ばれる天弓IIに各国の関心が向かっている。
すでに契約した国から納期の前倒しを求める動きも出ている。2026年下半期には中東や東南アジアでの追加受注が期待され、システム統合を担当するLIGディフェンス&エアロスペース(LIG D&A)の天弓II関連の年間売り上げは5000億ウォン(約550億円)以上になるとの見通しも出ている。
防衛業界によると、LIG D&Aは増資で確保した5000億ウォン(約550億円)を生産設備の増強に投入する方針だ。業界では、天弓IIなどの輸出拡大を見越した投資とみられている。現在、天弓IIは供給が需要に追いついていないとされる。
天弓IIが中東戦争で注目された背景には、戦闘が空爆とミサイル攻撃を中心に展開されたことがある。ロシアのウクライナ侵攻では東欧の平原を防衛する需要が韓国製K2戦車への関心につながったが、今回の戦争では防空・誘導兵器の需要が高まった。
米国がイランとの交戦でパトリオットやTHAADなどの迎撃システムの在庫を相当程度消耗したとの見方が広がり、代替需要への期待も高まっている。
LIG D&Aの売上高に占める輸出比率は2025年上半期の18.9%から2026年上半期には30.2%へ上昇した。輸出額も3497億ウォン(約385億円)から6870億ウォン(約756億円)に増えた。
SK証券のハン・スンハン研究員は、LIG D&Aについて「特別な一時的要因がない中、輸出比率の拡大で第2四半期の業績を伸ばした」とし、2026年に天弓II関連で年間5000億ウォン(約550億円)以上の売り上げを計上すると予想した。
既存の契約国からは納期短縮の要請も相次いでいる。韓国国防省のウォン・ジョンデ次官補は7月末、サウジアラビア国防省次官補と会談し、天弓IIの早期導入について協議したとされる。
新規受注への期待も高い。すでに導入しているサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラクに加え、クウェートやカタールなどの中東諸国、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど東南アジア諸国も関心を示しており、2026年下半期の追加受注の可能性が取り沙汰されている。
一方で課題もある。韓国軍向け需要まで考慮すると、現在進めている設備増強が完了しても生産能力が不足する可能性がある。米防衛大手ロッキード・マーチンが既存のパトリオットの半額程度となる低価格モデルの投入を予告していることも、中長期的な競争上の負担と指摘されている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News