英国の反ユダヤ主義的事件、対イラン攻撃開始後に急増 慈善団体
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【8月5日 AFP】米イスラエルとイランの戦闘が続く中、英国で反ユダヤ主義的な事件が今年上半期(1月~6月)、前年同期比で21%増加した。英国のユダヤ人社会を反ユダヤ主義などから守るために安全対策などを提供する慈善団体「コミュニティ・セキュリティ・トラスト(CST)」が5日、発表した。
CSTのマーク・ガードナー最高経営責任者(CEO)は、「こうした攻撃は英国のユダヤ人を標的にしたものだが、同時に英国とわれわれの社会に対する攻撃でもある」と述べた。
同団体によると、今年上半期に記録された反ユダヤ的なヘイトクライム(憎悪犯罪)は1926件に上り、暴行や放火、4月下旬にロンドン郊外のユダヤ人が多く住むゴルダーズグリーンで発生したユダヤ人男性2人の刺傷事件などが含まれている。
CSTは「上半期としては統計開始以来2番目に多い数字だ」と指摘している。2025年上半期は1598件だった。
特に4月下旬に発生したゴルダーズグリーンでの刺傷事件以降、日々の嫌がらせや攻撃が急増。事件発生後の3日間だけで71件の事件が記録され、そのうち16件はこの刺傷事件に直接言及したものだった。
CSTによると、「一部の事件では暴力を祝福し、ユダヤ人に対するさらなる危害を呼び掛けたり、事件を利用して反ユダヤ的な陰謀論や誹謗中傷を拡散させたりする動きが見られた」という。
こうした事件のうち7件については、イラン政府とつながりのある組織「ハラカト・アシャブ・アルヤミン・アルイスラミーヤ(HAYI)」が犯行声明を出している。
今年3月には、ゴルダーズグリーンで、ユダヤ人コミュニティーなどに救急サービスを提供している慈善団体「ハツォラ」の救急車4台が放火される事件が発生していた。
英政府は7月、HAYIを制裁対象に指定し、「ユダヤ人コミュニティーを守る強い意志」を表明した。
また英政府は、HAYIが引き起こした一連の反ユダヤ主義的事件の背景にはイラン革命防衛隊(IRGC)の精鋭部隊で対外交策や情報活動を担うとされる「コッズ部隊」が関与していると批判している。
内務省のアンジェラ・イーグル副大臣は先月、「英国は、国内での脅迫や人命への脅威に関与する革命防衛隊関連の動向を特定している」と述べた。
CSTの報告によると、英国での反ユダヤ主義的事件は、2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエル南部を攻撃し、パレスチナ自治区ガザ地区での軍事衝突が激化して以降、極めて高い水準で推移している。
サラ・ジョーンズ治安担当相は最新の統計数値を「言語道断だ」と批判し、「社会からこのような悪を排除するための闘いを決して止めてはならない」と強調。
「ユダヤ人居住地域での警備や警察活動を強化するため、過去最高額となる2億5000万ポンド(約530億円)を投入している」と明かした。(c)AFP