【8月4日 AFP】ナイジェリア北西部ザムファラ州で先週末、バイクに乗った武装集団が村と基地を襲撃し、子どもを含む52人が拉致された。地元住民らが3日、AFPに明らかにした。

身代金目的の拉致は、北東部を中心に活動するイスラム過激派や北西部を中心に活動する明確な政治的思想は有さない武装犯罪集団「バンディット(盗賊団)」をはじめとするナイジェリアの武装勢力にとって主要な資金源となっている。

ザムファラ州は、北西部の中でも特に深刻な被害を受けている。

地元住民によると、バイクに乗った武装犯罪集団が2日午前0時ごろ、カウラナモダ地方政府管区にあるカスワルダジ村になだれ込み、手始めに村はずれにある軍基地を襲ったという。

武装犯罪集団は基地から小銃を奪い、軍のパトロール車両に火を放った後、村を襲って多数の住民を連れ去ったという。

12歳の娘を拉致されたカスワルダジ村の住民、シェフ・アブドゥラヒさんによると、「当初は100人以上が連れ去られ」たが、一部が解放され、最終的に52人が拉致されたままになっている。

別の村人アフマド・ウスマンさんも「武装集団は家々を回り、多くの人々を連れ去った」「息子たちの妻2人が連れ去られ、私の家族からも10代の少女2人が拉致された」と語った。被害人数についてはアブドゥラヒさんと同様、最終的に52人が拉致されたとしている。

兵士は一人も拉致されなかったようだ。

アルハジ・イブラヒム・ムサさんはAFPに対し、武装集団が「部隊が駐屯する基地を制圧した」「この武装集団が私たちの地域を襲撃したのは今回が初めてではない」と述べ、最近も警察署が襲撃されたばかりだと付け加えた。

■撃退に「成功」

一方、ナイジェリア軍のオラニイ・オソバ報道官は、部隊が基地への攻撃を撃退することに「成功」したと発表したが、この襲撃により兵士1人と警察官1人が死亡し、「不特定多数の住民が連れ去られた」と認めた。

オソバ氏は、今回の攻撃をナイジェリア政府がさまざまな武装集団に対して使用する呼称である「テロリスト」のしわざだとした。

先週末は、カスワルダジ村だけでなくザムファラ州に隣接するソコト州の村も襲撃を受けた。

現地住民がAFPに語ったところによると、ニジェールとの国境に近いサボンビルニ村も1日午後11時から2日午前3時まで襲撃を受け、少なくとも11人が死亡した。

バンディットは、ナイジェリア政府の統治が及んでいない北西部および中部の広大な農村地帯で活動している。

農民から「税金」という名目でみかじめ料を徴収し、家畜を盗み、村を襲撃し、違法な採掘事業にも関与していることで知られる。

身代金目的の身柄拘束はナイジェリア全土で多額の利益を生むビジネスと化しており、治安危機と複雑に絡み合っている。

ラゴスを拠点とするコンサルティング会社SBMインテリジェンスの集計によると、2024年7月から2025年6月までの間に、身代金として約166万ドル(約2億6000万円)が支払われた。(c)AFP