【8月2日 AFP】モロッコから数万人の不法移民が一気に押し寄せたと報じられたスペイン領セウタで1日、すでに使われなくなった産業団地に身を寄せる未成年の不法移民数百人をAFPの取材班が確認した。

猛暑の中、汚れたTシャツと薄っぺらなサンダルを着用してさまよっていた10代の少年らは、取材班に対し「4日間ほとんど何も食べていない」と語った。

彼らはアフリカ北端のスペイン海外領土セウタに押し寄せた不法移民数万人のほんの一部だ。多くは、地中海に突き出た国境の防波堤を泳いで渡ってきた。この前代未聞の殺到は、スペインにとって国際的な危機を引き起こした。

大半はモロッコに送り返されたが、少年らの集団はその場にとどまり、欧州へ渡ることを望んでいると語った。

「NO モロッコ!スペインだ」と何人かが叫んだ。ある少年は、着ていたサッカー・スペイン代表の赤いユニフォームのエンブレムを握りしめ、「ビバ・エスパーニャ(スペイン万歳)!」と叫んだ。

また、近づいてきた14歳の少年は、大人や年上の同行者もおらず一人で来たと話し、夜に寝床にしているという、コンクリートの地面に敷かれたゴミと押しつぶされた段ボールの山を指さした。

AFPは自社の倫理規定に基づき、保護者のいない未成年者に証言を求めたり、個人の特定を行ったりはしていない。

ある倉庫では、水と泥にまみれた床の上に未成年者たちが群がり、1本のホースから出る水でシャワーを浴びていた。

■児童保護

現場には警察や行政の人間は見当たらなかった。ただ、一棟の倉庫だけには民間警備員がかろうじて配備されている状況だった。若い移民たちの一部が収容されているとみられ、建物の看板には人道支援団体「SAMU財団」とセウタ自治政府が共同運営していると書かれていた。

その施設を管理する担当者はAFPの取材に対し、コメントを拒否した。

スペインの外国人権法では、保護者がおらず、身分証明書を持たない未成年と疑われる移民に対しては、児童保護サービスによる「即座のケア」が提供されることとなっており、その後、裁判所が家族の状況に応じて、子どもを出身国に送還するかを判断する。

倉庫の日陰で避難している群衆の中で出くわした数少ない成人の一人、アジズ・ダブチさん(41)は、たどたどしいフランス語で「ここにいる子どもたちは全員、(スペイン本土へ)行きたがっている」とAFPに語った。

ダブチさんは妻と2人の娘とともにモロッコのカサブランカ近くの町ケニトラから来たという。17歳の娘はAFPに対し、保護者のいない未成年者たちの面倒を見る者は誰もいないと話した。