米国、民間宇宙事業の環境規制緩和へ 打ち上げ加速で中国に対抗
このニュースをシェア
【7月29日 AFP】米国政府は28日、宇宙ロケットの打ち上げペースを加速させ、中国との競合を優位に進めるため、民間の宇宙関連事業を多数の環境規制から除外する方針を発表した。
米運輸長官ショーン・ダフィー氏は声明を発表し、「米国は最初の宇宙開発競争に勝利した。今回も再び勝利できるが、そのためには政府の無用な手続き(レッドテープ)を排除しなければならない」と述べた。
トランプ政権が提案した規制案では、「特定の商業宇宙ライセンスおよび許可」において、13の連邦法に基づく義務付けの免除を認めるという。
米連邦航空局(FAA)によると、免除対象となる法律には「絶滅危惧種保護法」「水質浄化法」「大気浄化法」「国家歴史保全法」の一部が含まれる。
これらの環境保護要件を免除することで、「ロケットの打ち上げや宇宙船の再突入の他、打ち上げ・再突入拠点の運用」に向けた承認手続きを迅速化できるようになるとFAAは説明している。
現在、世界の宇宙打ち上げ市場を主導しているのは米民間セクターだが、急速な進展を見せている中国は、2030年までに人類を月へ送り込むことを目指している。
米国も自国の月探査計画を進めており、中国よりも先に計画を実施したい考えだ。
こうした背景を受け、ドナルド・トランプ米大統領は2025年8月、米国の宇宙産業の後押しを目的とした大統領令に署名している。
今回提案された規制案には30日間のパブリックコメント(意見公募)期間が設けられており、修正される可能性も残されている。
環境保護団体「生物多様性センター」で政府問題担当ディレクターを務めるブレット・ハートル氏は対決姿勢を鮮明にしている。
同氏は「私たちは超富裕層の『爆発するロケットのおもちゃ』による実質的な環境破壊を目にしてきた」と指摘し、提案は「特定利益団体への見苦しい優遇策だ」と非難した。(c)AFP