【7月23日 AFP】米ホワイトハウス科学技術政策局のマイケル・クラツィオス局長は22日、中国の人工知能(AI)スタートアップ企業、月之暗面(ムーンショットAI)がモデル「Kimi K3」を開発する際、米アンソロピックの最先端モデルの技術を秘密裏に模倣したと非難した。

クラツィオス氏はX(旧ツイッター)への投稿で、米国は「ムーンショットAIがK3モデルを開発するためにアンソロピックの高性能AI『フェイブル』を蒸留したという情報を得ている」と明らかにした。

蒸留とは、大規模でより高性能なAIモデルが出力したデータを使ってより小規模なモデルに学習させること。

この手法は業界全体で広く用いられているが、米当局は中国企業が米国が専有するシステムを不正に模倣するために大規模に用いていると指摘している。

クラツィオス氏は、ムーンショットAIが「米国モデルに対して大規模な蒸留を行うための洗練された内部プラットフォーム」を構築しており、これにより同社は「複数のアクセス方法を素早く切り替えることで検知を回避することができた」と述べた。

さらに、ムーンショットAIが米国が対中輸出を規制しているエヌビディア製の高性能半導体「GB300」を搭載したサーバーを入手したり、タイにあるGB300搭載サーバーにもアクセスしたりして「AIモデルの学習に利用していたとみられる」と付け加えた。

これは、中国が米国による高性能半導体の対中輸出制限を迂回(うかい)した可能性を示唆している。

クラツィオス氏は、ムーンショットAIがどのような制裁や対抗措置を科すかには言及しなかった。

だが、スコット・ベセント財務長官は21日、詳細には触れなかったものの、米国の技術を盗んだ外国企業に制裁を科す可能性があると述べた。

ベセント氏はFOXビジネスの取材に対し、「特に外国のAIモデルがわが国の素晴らしい企業から盗みを行っている場合、われわれはその窃盗を理由に彼らに制裁を科すことができる」と語った。

ベセント氏は特に蒸留に言及し、米当局が「多くの中国モデルから米国の主要言語モデルのウォーターマークを発見しており、これは容認できない」と述べた。(c)AFP