【7月21日 AFP】国連(UN)は21日、東アジア、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドでの昨年のオンライン詐欺被害の額が、最大で1140億1000万ドル(約18.5兆円)に達したとする報告書を発表した。これは2023年比で約3倍となった。

近年、東南アジア、特にカンボジアやミャンマーは、恋愛感情を利用したロマンス詐欺や暗号資産投資詐欺を運営する犯罪組織の地域的拠点として浮上している。ここでは、自ら加担する者に加え、人身売買で強要された実行役らが、多くの場合、要塞化された施設から世界中のインターネットユーザーを騙している。

現地当局は、米国、英国、中国など複数の国からの圧力を受け、違法産業の取り締まりを強化していると主張している。

国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書によると、被害の多くは投資詐欺によるもので、昨年の被害額は2023年の推定額(180億~370億ドル)を大幅に上回った。UNODCは「この犯罪経済の極めて急激な拡大」を示していると指摘する。

過去2年間で、中国、韓国、台湾がこの地域で最も多額の詐欺被害を報告しており、それぞれ数十億ドル規模の被害が出ていると付け加えた。

東南アジアにおけるサイバー詐欺産業は近年急拡大しており、組織犯罪グループは当初、主に中国語話者をターゲットにしていたが、その後対象を広げ、世界中の被害者を標的にするようになった。

UNODCによると、違法薬物取引、オンライン詐欺、人身売買、違法な銀行取引、不動産投資などを含む東南アジアのより広大な犯罪エコシステムも、過去10年間で変容を遂げているという。

組織犯罪者は「地元に根ざした個別の犯罪組織という断片的なシステムから離れ、統合化が進み、国境を越え、技術的に高度化した犯罪経済へと移行しつつある」と指摘した。

この変化は従来の法執行機関にとって試練となっており、地域のガバナンス、経済的・社会的安定を脅かしているとUNODCは付け加えた。(c)AFP