【7月18日 AFP】ファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズで知られる英作家J・K・ローリング氏(60)が創設した女性専用の性暴力被害者支援施設「ベイラズ・プレイス」に、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが報告書で「アンチ・ライツ(人権擁護に積極的に反対する運動や団体のこと)」のレッテルを貼った問題をめぐり、英国の登録チャリティーの規制・監督を行う独立した行政機関「チャリティー委員会」が予備調査を進めている。

性自認に関する議論の最前線に立ち、トランスジェンダーの権利擁護運動を公に非難してきたことでトランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)との批判も受けてきたローリング氏は17日、このレッテル貼りに怒りを表明した。

ローリング氏はX(旧ツイッター)に、「実際には大笑いしたような事柄について、私が激怒していると主張する報道記事に笑わせらせることがよくある」と投稿。

「しかし、今回は違う。アムネスティによるベイラズ・プレイスへの攻撃に対し、時間が経つごとに増幅していく激しい怒りに燃えている」と付け加えた。

英メディアによると、「高まる脅威:英国におけるアンチ・ライツ運動(A Growing Threat: The Anti-Rights Movement in the UK)」と題されたこの報告書は、その後削除された。

ローリング氏が2022年に設立したベイラズ・プレイスは、性暴力の被害に遭った女性たちに対し、無償で支援や権利擁護サービスを提供している。

ローリング氏は、過去に自身もドメスティックバイオレンス(DV)を受けていた事実を明らかにしている。

■「極めて侮辱的」

チャリティー委員会の報道官は16日、アムネスティの報告書に対する懸念の声が同委員会に寄せられていると発表。

「チャリティー規制当局として、われわれが果たすべき役割があるかを判断するため、提起された問題について(予備)調査をしている」と述べたが、現段階では正式な調査は開始していないという。

アムネスティは今週、「アムネスティ・インターナショナル英国支部の立場との一貫性、正確性、整合性を確保するために設けられている確立された内部審査プロセスを経ずに、報告書がウェブサイトにアップロードされてしまった」として遺憾の意を表明。

「その言葉遣いはアムネスティ・インターナショナル英国支部の立場を反映したものではないため、速やかに削除された」と述べた。

ベイラズ・プレイスのレスリー・ジョンストン最高経営責任者(CEO)は、同施設が「アンチ・ライツ」のリストに含まれていたことは「不可解だ」と述べた。

さらに、「サバイバー(性暴力被害者)を支援するために日々働いているスタッフや、私たちのサービスを必要とし利用している女性たちにとって、極めて侮辱的だ」と付け加えた。

生物学的な性別は変えられず、本人の意思で性別は決まらないと考えるジェンダークリティカル的な見解を取っているローリング氏は、過激なトランスジェンダーの権利擁護派の標的となっている。

ローリング氏はトランスフォビアだとの批判に対し、トランスジェンダーの権利擁護運動が女性の権利や、トイレや更衣室などの女性専用スペースに与える影響を懸念しているにすぎないと説明している。(c)AFP