【7月9日 AFP】米国のドナルド・トランプ大統領は8日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の閉幕にあたり、それまでの強硬姿勢から一転して加盟国を歓迎する意向を示した。トランプ氏はこれより前、自身が主導する対イラン戦略への加盟国の対応をめぐり、激しい非難を浴びせたばかりだった。

わずか数時間の間に敵対心から親愛へと急変したこの一幕は、気まぐれな米国リーダーが見せる感情の起伏の激しさを如実に表した。

トルコの首都アンカラで開催されたNATOサミットで、32か国の首脳による非公開会合を終えたトランプ氏は、記者団に対し次のように語った。

「素晴らしかった。あの部屋での結束力は信じられないほどで、まさに愛に満ちていた。今回のサミットは途方もない大成功だった」

非公開の会合で、トランプ氏は各国首脳に対し、米国が軍事同盟にとどまる意向を再確認した。会合に同席した情報筋によるとトランプ氏は「われわれは諸君とともに残りたい」と述べたという。

その姿勢は共同宣言にも反映され、NATO首脳らは条約第5条に規定された相互防衛条項への「揺るぎない関与」を再確認した。

欧州の首脳らは今回のサミットで、国防費の大幅な増額をアピールした。これは、トランプ氏に対し、予算を拡大して自国の安全保障により多くの責任を持つという公約を果たしていると証明するためだ。

トランプ氏との新たな対立を避けるため、欧州の加盟国は7日、数十億ドル規模の新たな武器契約を発表。これは、欧州の防衛における米国の負担を軽減するための努力が進んでいることを示す証拠である。

ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、「大きな貢献を果たしたという実感を胸にドイツへ戻る。NATOは団結を維持しており、より強く、そして『より欧州主導』のものになりつつある」と述べた。

しかし、会合の直前にトランプ氏は、加盟国が米国の対イラン戦略を支持しなかったことに激怒。スペインとの通商を停止すると脅し、さらにNATO加盟国であるデンマーク領グリーンランドの領有権を依然として求めていると主張していた。