【7月9日 AFP】イタリアの裁判所は8日、農作業中の事故で腕を切断され、両脚を押しつぶされたインド人出稼ぎ労働者を道路わきに放置し、死亡させた農家に対し、実刑16年の有罪判決を言い渡した。

事故は2024年6月に起きた。インド人労働者のサトナム・シンさん(当時31歳)は、ローマ南郊の農村地帯ラティーナ県にある農場で、機械で腕を切断され、両脚を押しつぶされる大けがをした。シンさんは労働許可証を持っていなかった。

被害者の遺族を支援する労働組合によると、雇用主のアントネッロ・ロバート被告は、シンさんを病院に連れて行かず、シンさんと妻を道路脇に置き去りにした。切断された腕も箱に入れて放置したという。シンさんは2日後に死亡した。

検察側は、被告の農家に対し、22年の実刑を求刑していた。

この悲劇的な事件はイタリア国内で大きく取り上げられ、同国の農場における不法就労者の労働条件に関する議論を巻き起こした。判決の言い渡しはテレビ中継された。

事故が起きたラティーナでは、インド人労働者数千人が抗議デモを行い、正しい判断とイタリアにおける「奴隷労働」の終結を訴えた。

ラティーナ検察庁は法医学報告書を引用し、「シンさんは、大量出血により死亡した。もし迅速に搬送されていれば、生存していた可能性が非常に高かった」と述べた。

労働環境監視団体の最新の報告書によると、イタリアの農業では約24万人の労働者が雇用されており、これは季節労働者の4分の1に相当するが、立ち入り検査は依然として極めて稀だという。(c)AFP