薬食同源の「黄精」で地域振興
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【7月7日 東方新報】中国・陝西省(Shaanxi)南部の秦嶺山脈の奥深く、嘉陵江のほとりで育つ黄精(オウセイ)が、陝西省略陽県の地域振興を支える産業へと成長している。近年、略陽県は天麻や黄精などの特色ある生薬を重点的に育成し、黄精を単なる薬材から食品、飲料、薬膳など多様な商品へと展開してきた。
陝西億超能生物科技の薬膳試食コーナーでは、黄精を使った料理が並ぶ。黄精は略陽名産の烏骨鶏と相性がよく、「九蒸九晒(蒸して天日に干す工程を9回繰り返す伝統的な加工法)」で加工した九制黄精を加えることで、上品な甘みと深い味わいが生まれる。同社の李丹(Li Dan)さんは、「略陽烏骨鶏、黄精、天麻を中心に、トウキ、オウギ、ナツメ、陳皮などを組み合わせ、滋養と食べやすさを両立させている」と話す。薬膳メニューは、漢方薬材は苦いという従来の印象を変える試みでもあり、観光客からの予約も増えている。
黄精の活用は薬膳にとどまらない。工場では黄精ビールの生産ラインが稼働し、原料選別、九蒸九晒、殺菌、包装までの工程が進められている。2025年には年間300トンの黄精ビール生産ラインが本格稼働し、標準化された黄精加工ラインにも5000万元(約11億8681万円)が投じられた。
略陽県には6万ムー(約4000ヘクタール)余りの黄精栽培地があり、中国初の黄精GAPモデル基地県でもある。現在、同県では九制黄精、健康茶、液体飲料、タブレット菓子など9シリーズ21種類の商品を開発しており、産業の付加価値を高めるとともに、地域に安定した雇用も生み出している。
ブランド化も進んでいる。2025年9月には同社の九制黄精ギフトセットが第2回「三秦おすすめ土産」に選ばれ、同年の楊凌農業ハイテク博覧会でも略陽黄精が複数の展示館で紹介された。2026年2月には、略陽烏骨鶏と略陽黄精が西安市(Xi'an)の高級百貨店・西安SKPへの出店契約を結び、高級消費市場にも進出した。
現在の略陽黄精は、単なる生薬ではなく、栽培、加工、薬膳体験、観光、ブランド展開を組み合わせた地域産業へと発展している。略陽県は黄精産業の高度化を通じて、農村振興と住民の所得向上につなげている。(c)東方新報/AFPBB News