【6月25日 AFP】中国司法省の胡衛列次官は24日、7月1日に施行される「民族団結進歩促進法」について、中国は同法に基づき国外の違反者も対象とする「合法的な」権利を有すると述べた。

民族団結進歩促進法は、各民族の間で「共有された」国家アイデンティティー(中華民族共同体意識)を形成することを目指しており、国外の個人や組織が同法に違反した場合に責任を問われる可能性があるとする国外適用条項を含んでいる。

人権団体は同法について、中国政府が弾圧しているとされるウイグル族やチベット族といった少数民族の国外支援者を追及するための「さらなる法的根拠」を得ることになり、少数民族をさらに周縁化するために悪用されかねないと警告している。

胡氏は24日の記者会見で、同法を正当化し、国外適用条項は「法理に合致している」と主張。

「この規定は国家の現実に基づき、国際慣行に適合しており、正当かつ合法、必要かつ実行可能な法的措置を構成している」と述べた。

中国は、漢民族が人口の9割以上を占めるが、55の少数民族を公式に認めている。

同法は、教育、行政、および公の場における言語として「標準中国語」を普及させるという長年の方針を法制化したものだ。

また、社会の結束を重要な焦点としており、別の条項では「暴力的なテロ活動、民族分裂活動、または宗教的過激活動」に従事することを犯罪と規定している。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は昨年の声明で、同法が「思想統制の強化を促進」し、「少数民族の言語の権利を抹消することなどによって、民族や宗教の少数派を標的にする」可能性があると指摘。

さらに、中国政府が国外の反体制派を「日常的に」抑圧しようとしていると付け加え、同法が「中国の国境を越えた統制を助長する」可能性があると述べた。

中国政府はこうした疑惑を否定している。

胡氏は、西側メディアが国外適用条項を一種の「ロングアーム管轄権(自国の裁判所が国境を越えて、外国の人物や企業に対しても法的判断を下すことができる権限)」と解釈することで中国を「中傷している」と非難。

同法は「民族の団結と進歩を損なう、あるいは民族分裂を扇動する違法行為」を補足するものだとして、「その根本的な目的は、民族の調和、社会の安定、および国家安全保障を守ることであり、これは国際法の精神に合致している」と付け加えた。(c)AFP