【6月27日 東方新報】2021年10月に正式発足したジャイアントパンダ国家公園は、中国の生物多様性保全を象徴する取り組みの一つだ。30万ムー(約2万ヘクタール)以上の生息地修復によって生態回廊の連結性が高まり、野生ジャイアントパンダの約72%が保護対象となった。個体数も1980年代の約1100頭から、2024年には約1900頭まで回復している。

陝西省(Shaanxi)佛坪県は「中国パンダ第一県」と呼ばれる。第4回全国ジャイアントパンダ調査によると、佛坪国家級自然保護区には67頭の野生ジャイアントパンダが生息し、分布密度は全国最高だ。世界初の茶色いジャイアントパンダ「丹丹(Dan Dan)」や、人気を集めた「七仔(Qi Zai)」もここで発見された。

佛坪救護繁育研究基地では現在4頭のジャイアントパンダを飼育している。2022年に運営を開始した同基地は、秦嶺地域でけがや病気に見舞われた野生ジャイアントパンダの救護やリハビリを担う拠点だ。スタッフは毎日、健康状態や行動、排せつ状況を記録し、保護研究に役立てている。

野外保護にも力が入れられている。佛坪県はスマート監視システムや林長制(林地の管理責任者制度)を導入し、レンジャーによる巡回を実施しているほか、野生ジャイアントパンダのために15か所の出産・育児用洞穴を整備した。さらに、周辺の犬や猫へのワクチン接種を進め、感染症の拡大を防いでいる。

長年保護活動に携わる何祥博(He Xiangbo)氏は、ジャイアントパンダの主食である巴山木竹の一斉開花を懸念している。竹は開花後に枯れるため、広範囲で発生すると食料不足を招く恐れがある。このため、低標高地域での植栽拡大や人工的な管理を提案している。

佛坪では地域住民も保護活動を支えている。2000年には、衰弱した野生ジャイアントパンダ「慶慶(Qing Qing)」を村民が発見し、保護区と協力して救護した。こうした協力関係は今も続いている。

保護区管理局は生態保護と地域振興の両立も進めている。近年は道路や学校、診療所の整備を支援したほか、サンシュユ栽培や養蜂などの環境に配慮した産業を育成し、住民の収入向上につなげてきた。巡護員やエコガイドとして住民を雇用する取り組みも行われている。

自然教育プログラムも行われており、子どもたちはパンダの生活の痕跡をたどりながら、保護の大切さを学んでいる。参加した西安市(Xi'an)の学生たちは、村民がパンダ保護のために産業発展を一部控えてきたことを知り、帰校後に農産物のチャリティーバザーを開いた。佛坪では、人とジャイアントパンダが共に生きる取り組みが着実に根付いている。(c)東方新報/AFPBB News