【三里河中国経済観察】中国、都市更新で既存資源の質向上へ
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【7月2日 CNS】都市の発展は、多くの人びとの暮らしに直結している。
5月15日に開かれた国務院常務会議では、「都市更新第15次5か年計画」が審議、承認され、今後の都市政策の方向性が明確に示された。会議は「現在、中国の都市発展は大規模な量的拡大の段階から、既存資源の質を高め、効率を向上させる段階へ移りつつある」と指摘した。
「大規模な量的拡大」から「既存資源の質向上と効率化」へ。この変化は単なる表現の違いではなく、都市発展の考え方そのものが大きく切り替わったことを意味する。かつてのように都市を外へ広げ、新たな市街地を次々と開発する時代は終わりを迎えた。これからの都市づくりは、既存の街をどう生かすかがより重要になる。
では、なぜ会議は「都市更新を重要な位置に据える」としたのか。2015年と2025年に開かれた中央都市工作会議は、新時代の都市発展の方向性を形づくった。現在、中国の常住人口都市化率は上昇を続け、都市の姿も大きく変わっている。一方で、大規模な拡張を経た後、多くの都市では土地資源の逼迫、老朽化した市街地の機能低下、インフラの老朽化といった「成長に伴う課題」が表面化している。
大都市に必要なのは、もはや単なる空間の拡大ではなく、既存空間を質の高い形で再利用することだ。国務院常務会議が都市更新を重点的に打ち出したのは、こうした発展段階の変化を見据えたものだ。新たに広げられる余地は限られているが、既存資源には大きな可能性が残されている。むやみに壊して建て替えるのではなく、「刺繍のように細やかな取り組み」で旧市街をよみがえらせる。これは住民の期待に応えるものであると同時に、内需を喚起し、新たな成長力を育てる重要な一手でもある。
国務院常務会議は、「革新的で、住みやすく、美しく、強靱で、文明的で、スマートな現代的人民都市」を建設するとした。これらのキーワードは、都市更新が目指す姿そのものだ。方向性は定まった。では、具体的に何を進めるのか。今回の会議では重点任務が明確に示されており、少なくとも六つの点が注目される。
まず、都市発展の新たな原動力を育てることだ。都市更新は、壁を塗り替えたり道路を整備したりするだけではない。重要なのは、新産業や新業態を取り込むことにある。老朽化した工場跡地が文化クリエーティブ産業の園区に生まれ変わり、廃線跡が起業家の集まる街区になる。空間の更新の背後には、経済の新たな活力を生み出す狙いがある。都市更新は産業高度化と深く結びつき、「古い空間」から「新しい経済」を育てる必要がある。
次に、質の高い都市生活空間をつくることだ。老朽団地へのエレベーター設置、高齢者や子ども向けサービス施設の整備、小規模公園や緑道ネットワークの充実。これらは大きなスローガンではないが、住民の実感に直結する。都市のあちこちに、人を中心にした尺度を反映させることが求められている。
第三に、都市のグリーン・低炭素化を進めることだ。既存建築物の省エネ改修、グリーン交通体系の構築、環境配慮型建材の普及など、今後の都市更新では「グリーン」を全過程に組み込む必要がある。これは付加的な選択肢ではなく、必ず進めるべき取り組みだ。
第四に、都市の安全性と強靱性を高めることだ。近年、異常気象が増えるなか、地下管網、洪水・排水施設、緊急避難場所などの不足が明らかになっている。会議が「強靱性」を強調したことは、都市更新の中で地下インフラやライフラインの安全対策にしっかり投資し、都市そのものをより強くする必要があることを示している。
第五に、都市文化の発展を促すことだ。旧市街の保護と都市更新は矛盾しない。歴史的街区を残し、産業遺産を活用することで、都市の記憶を守り、人びとの郷愁をつなぐことができる。文化こそが、その都市らしさを示す独自の識別記号となる。
第六に、都市管理能力を高めることだ。ハード面の更新には、ソフト面の改善も欠かせない。「一網統管」などのスマート管理手法を活用し、都市管理をコミュニティへ浸透させ、デジタル技術によってきめ細かな管理を進めてこそ、都市更新は中身のあるものになる。
全体として、今回の国務院常務会議は、都市更新を力強く、秩序立てて進めるための方向性を示した。中国の都市は、粗放的に外へ広がる発展から脱し、一つ一つの街路、建物、コミュニティを丁寧に磨き上げる段階に入っている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News