薬草グッズが若者に人気 中国で広がる中医薬文化
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【6月9日 東方新報】「00後(2000年代生まれ)」の王思雨(Wang Siyu)さんのベッド脇には、7、8個の薬草入り香り袋が掛けられている。安眠用、風邪予防用、普段使いの陳皮入り香り袋などだ。王さんは、以前は中医薬といえば煎じて飲むものだと思っていたが、今では小さな飾りや身につけるグッズになり、実用的で文化的な雰囲気もあるため、手土産として選ぶことも多いという。
吉林省(Jilin)各地の文化グッズ市を取材すると、中医薬の薬材が新しい形で暮らしに入りつつあることが分かった。薬草の香りがするブレスレットや薬草入り香り袋など、健康志向のトレンド商品が若い消費者の間で静かな人気を集めている。
復元・再建された吉林官参局は、若者に人気のスポットになっている。清代風の趣ある建物の中には、濃厚でありながら鼻につかない薬草の香りが漂う。沈香のブレスレットはまろやかで落ち着いた香り、白檀のブレスレットはすっきりとした清涼感のある香りが特徴だ。色とりどりの香り袋や丹参のブレスレットが並び、買い求める人が後を絶たない。
マカオから訪れた観光客の李程(Li Cheng)さんは、家族と吉林を旅行し、中医薬マーケットを体験するために足を運んだ。脈診の相談を受けたり、自分で香り袋を作ったり、ブレスレットを選んだりと、一家は大いに楽しんだ。帰る前には、親戚や友人への土産としてさらに数点を選んだ。李さんは「中医薬文化グッズは見た目もよく、実用的で、種類もとても多い」と話す。
行政もこの流れを後押ししている。吉林省は2年連続で全省中医薬文化グッズコンテストを開催した。出品作品には、人参や鹿茸(ろくじょう)など吉林ならではの薬材をモチーフにしたキャラクターデザインのほか、薬材の要素を取り入れた香り袋、スマートフォンケース、マグネットなどの日用品、古来の薬典の知恵を生かした本草石けんやアロマギフトセットなどもある。
「中医薬文化グッズは単なる話題づくりではない」。吉林省吉林中西医結合医院薬剤科の劉東梅(Liu Dongmei)主任はそう説明する。沈香や白檀には気持ちを落ち着かせる働きがあり、ヨモギやミントには気分をすっきりさせる作用があるため、日常的に身につけることには一定の効果があるという。
中国全体を見ても、中医薬文化グッズは各地で広がっている。北京の中医病院は中国医学・薬学の代表的古典「本草綱目」の古方をもとに香り玉のブレスレットを作り、上海市の老舗「雷允上」は無形文化遺産の技法を生かして、異なる養生法に対応した五色の香り玉を発売した。湖北省蘄春県では、ヨモギを生かして数百種類の商品を開発し、160億元を超える生産額を生み出している。
吉林市政治協商会議の文史研究員、皮福生(Pi Fusheng)氏は、中医薬文化グッズの人気について、中医薬文化が現代の暮らしに合わせて変化している結果だと見る。伝統の生命力を呼び覚ますと同時に、人びとの健康志向と文化体験への需要にも応えている。中医薬は、よりおしゃれで親しみやすい形で人々の視野に入り、「煎じ薬」から「トレンドグッズ」へと軽やかに姿を変えつつある。(c)東方新報/AFPBB News