「壁にテープのバナナ」 数億円のアート作品が盗難、仏美術館が被害届
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【6月1日 AFP】フランス東部メスにある美術館「ポンピドゥーセンター・メス」は5月31日、イタリアの現代美術作家、マウリツィオ・カテラン氏の作品が盗まれたと警察に通報した。盗まれたのは作品の主要部分を構成するバナナだ。
被害に遭ったのは、カテラン氏の作品「コメディアン」で数億円の価値がある。壁にバナナが粘着テープで貼り付けられたインスタレーション作品で、30日に警備員がバナナがなくなっているのに気が付いた。
仏パリにあるポンピドゥーセンターの分館であるポンピドゥー・メス美術館は声明を発表し、身元不明の人物による盗難について警察に正式な被害届を提出した。
美術館は、作品のバナナが交換されたことも明らかにした。このコンセプチュアルなアート作品では、バナナが常に新鮮な状態に保たれるよう3日ごとに交換される。
「コメディアン」が被害に遭うのはこれが初めてではない。昨年7月にも、入場者によってバナナが食べられるという事案が起きている。この時は警備員がすぐに介入し、即座に代わりのバナナが設置された。
カテラン氏は当時、空腹の訪問者がバナナだけでなくテープも食べなかったことに失望したと冗談交じりにコメントし、美術館側も法的措置を取らなかった。
しかし今回、バナナを持ち去った人物が特定されていないため「対話の可能性がない」として美術館は警察への届け出に踏み切った。また「2回目の事案で、作品に対する敬意の問題だ」とも述べている。
アートの概念とその価値を問いかけるこの作品は、2019年のアートフェアで12万ドル(当時の価格)の値がついて以降、物議を醸し続けている。
カテラン氏は他にも、18カラットの純金製便器「アメリカ」を制作したことでも知られるが、こちらも2020年に英国の展示会場から盗まれており、バラバラに解体され、現在も回収されていない。(c)AFP