中国の文化グッズ、暮らしと世界へ
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【6月2日 東方新報】中国で、博物館や伝統文化を生かした文化グッズ(文創)が新たな広がりを見せている。5月15日、北京市の朝陽公園で開かれた「2026中国新文化クリエーティブ市集・トレンド玩具遊園会」には、博物館発の商品からトレンド玩具、AIロボットまで幅広い商品が並んだ。会場を訪れた北京市民の戴(Dai)さんは、「文化グッズはもう観光客だけのものではない。見ているだけで気分が明るくなる」と話した。
会場には、陝西省(Shaanxi)の「金の飯碗」や「虎符」シリーズ、甘粛省(Gansu)の敦煌(Dunhuang)スケートボード、九色鹿の羊毛フェルト画、故宮博物院(The Palace Museum)の茶杯ギフトセットやブランケットなどが並んだ。屋外では、ポップマートの人気キャラクターLABUBU(ラブブ)の大型オブジェの前に若者が列を作り、AI感情ロボットが子どもたちと会話していた。伝統文化、人気IP、先端技術が一堂に集まった会場は、従来の物産展や土産物販売とは異なる雰囲気に包まれていた。
中国の文化グッズはこれまで、「小さな飾り物」や「観光地の土産物」というイメージが強かった。しかし今は、日用品、インテリア、玩具、教育機器、ロボットなどへ広がり、暮らしの中で使われる商品へと変わりつつある。故宮博物院はその代表例だ。収蔵品を紹介する人気カレンダー「故宮日暦」や中国の名画「千里江山」をテーマにした商品、デジタル故宮、環境配慮型グッズなどを通じて、収蔵品を現代の生活と結びつけてきた。この「故宮モデル」は、中国各地の博物館にも広がっている。
故宮博物院の王躍工(Wang Yuegong)副院長は、文化財は人びとのものであり、人々に奉仕するものだと述べ、故宮を世界が中華文明を理解する窓口にしていく考えを示した。会場を訪れた朝陽区の米霊珠(Mi Lingzhu)さんも、「一度の市集で首都博物館(Capital Museum)や天津博物館(Tianjin Museum)など各地の文化グッズを見られるのは楽しい」と話す一方で、「オリジナルを大切にし、粗悪な模倣品をなくしてほしい」と期待を寄せた。
文化グッズの変化は、若者の消費にも表れている。中国発のトイメーカーのポップマート(Pop Mart)の展示エリアでは、LABUBUの大型オブジェが人気を集め、多くの若者が写真を撮っていた。ポップマートは世界各地のアーティストやデザイナーを発掘し、LABUBUなどの大型ヒットIPを育成している。商品展開やテーマパーク、海外店舗を通じて、中国国内だけでなく海外市場にも広がっており、2025年には海外売上比率が43.8%に達した。
朝陽区政府の尹円(Yin Yuan)副区長は、若者のトレンド玩具消費について、文化への自信とアイデンティティーの表れであり、東洋的な美意識を自ら受け入れる動きだと語った。会場の若い来場者からも、「以前は文化グッズといえば観光地の記念品という印象だったが、今のトレンド玩具は自分が本当に欲しいもの」という声が聞かれた。
一方で、文化グッズは「見て楽しい」だけでなく、「使って便利」なものにもなっている。会場では、AI感情ロボットが子どもの表情や声に反応し、会話や遊びを通じて交流していた。絵本ロボットは読み聞かせや親子教育を支援し、AIサッカーロボットはスポーツ体験や科学教育に活用できる。スマートロボット犬は家庭での付き添いや施設の巡回点検にも対応する。
関係者は、「文化グッズとロボットの融合は、従来の『見るだけ』の商品から、家庭に入り、暮らしを支える商品への転換だ」と説明する。遼寧省(Liaoning)から視察に訪れた雷(Lei)さんも、絵本ロボットの実演を熱心に見ながら、「文化グッズは置いて楽しむだけでなく、使って役立つものになっている」と話した。
専門家は、文化グッズの境界が大きく広がっていると見る。かつては観賞用の置物が中心だったが、今では人に寄り添い、学びを助け、気持ちを癒やすスマート製品へと進化している。伝統文化をただ商品に貼り付けるのではなく、現代の暮らしや若者の感性、テクノロジーと結びつけることで、中国の文化グッズは新たな成長段階に入りつつある。(c)東方新報/AFPBB News