【三里河中国経済観察】エヌビディア、AI光接続に大型投資
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【6月1日 CNS】かつて発明家のトーマス・エジソン(Thomas Edison)向けにガラス製電球を作っていた企業が、最近AI業界の「注目株」となっている。
米東部時間5月6日、創業100年を超える企業コーニング(Corning)の株価は1日で12%超急騰した。ヤフー・ファイナンス(Yahoo Finance)が4月30日に報じたところによると、同社の株価は過去1年で250%以上上昇している。この急騰のきっかけとなったのは、エヌビディア(Nvidia)との協力協定だ。「AI半導体の王者」と呼ばれるエヌビディアは、コーニングに最大32億ドル(約5088億9600万円)を投資し、米国内に光学製品の製造工場を3か所新設することを決めた。目的は「光接続」向けの製品供給だ。
半導体大手はなぜ突然、巨額を投じて老舗ガラスメーカーと光学分野で手を組むのか。その理由は、AIデータセンターが抱えるボトルネックにある。現在のAI学習は、もはや1枚の半導体だけで行うものではない。GPT-4を例にすると、数千から数万枚のチップが同時に計算を行う必要がある。大型AIデータセンターでは、データが複数のラック、クラスター、さらには施設間を行き来する。
これは巨大な工場に例えられる。1枚1枚のチップが作業員だとすると、作業員の能力がどれほど高くても、互いに荷物を運ぶ道が狭ければ、工場全体の生産は遅くなる。この数年で、単一チップの計算能力は飛躍的に高まった。しかし、チップ同士をつなぐ通路である銅線ケーブルが、それに追いつかなくなっている。エヌビディアの黄仁勳(Jensen Jen-Hsun Huang)CEOはメディアの取材で、「次世代のAIインフラには大量の光接続が必要になる。計算需要が急速に増えており、銅線ではもはや対応できない」と述べた。
業界関係者によると、銅線は短距離・低速のデータ伝送ではコスト面の強みがあるものの、消費電力が高く、かさばり、重く、帯域幅に限界があり、エラー率が高く、データパケットも失われやすい。こうした弱点により、数千億から兆単位のパラメーター規模へ進化するAI大規模モデルの需要には対応しにくくなっている。
一方、光ファイバーは非常に細く、曲げることもできるガラス繊維だ。銅線が電子でデータを運ぶのに対し、光ファイバーは光子でデータを伝送するため、より長距離を、より高速に、より少ない干渉でつなぐことができる。コーニングのウェンデル・ウィークス(Wendell P. Weeks)CEOは、「短距離でも、光子でデータを送る効率は電子の3倍です。長距離伝送では、その効率は約20倍に達します」と述べている。そのため、エヌビディアは光ファイバーを手がけるコーニングに目を付けた。
実際、今回のコーニングとの協力は、エヌビディアが光学技術に乗り出した初めての例ではない。今年3月には、光チップ企業のコヒレント(Coherent)とルメンタム(Lumentum)の2社と複数年契約を結び、それぞれ20億ドル(約3180億6000万円)を投資した。光インターコネクト技術とパッケージ統合に布石を打ち、次世代AI工場への準備を進めている。今回のコーニングへの32億ドルを加えると、わずか2か月でエヌビディアが光接続分野に約束した投資額は70億ドル(約1兆1132億円)を超えた。
今回の協定に基づき、コーニングはノースカロライナ州とテキサス州に3つの工場を新設し、米国内の光接続製品の生産能力を10倍に高め、光ファイバーの生産能力も50%以上拡大する。コーニングが米証券取引委員会に提出した書類によると、エヌビディアは同社に5億ドルを投資し、1株180ドル(約2万8625円)で最大1500万株のコーニング株を購入する権利を持つ。
同時に、エヌビディアは次世代AIラック「Vera Rubin」内部にある約5000本の銅線ケーブルを、コーニングの光ファイバーに置き換える計画だ。エヌビディアの戦略は明確だ。チップから伝送媒体まで、サプライチェーン全体を深く結びつけようとしている。こうした動きはエヌビディアだけではない。今年1月には、メタ(Meta)がコーニングと最大60億ドル(約円)の長期契約を結び、ノースカロライナ州の光ケーブル工場拡張に乗り出した。Metaは同工場の主要顧客となる。
欧州でも、投資家は「光接続」の勝者を追いかけている。ブルームバーグ(Bloomberg News)によると、スイスの光回路スイッチ開発企業Huber+Suhnerの株価は過去最高を更新した。スイス金融大手UBSのアナリストは、同社の光路スイッチ事業が利益率を大きく押し上げると指摘している。別の企業AMS-Osramも、マイクロLED技術がクラウドサービス企業にAI計算負荷の簡素化に使われていることを背景に、米東部時間5月7日に株価が約30%急騰した。
同時に、エヌビディアの競合も手をこまねいているわけではない。米CNBCによると、ブロードコム(Broadcom)とマーベル・テクノロジー(Marvell Technology)はすでに類似の光インターコネクト製品を発表し、インテルも共同パッケージ光学技術の開発を進めている。
多くの企業が、単一チップの性能向上が次第に難しくなる中で、唯一の道は数千、数万個のチップをより滑らかに、より密に協調させることだと気づき始めている。そして、そのためのより良い選択肢が光接続なのである。
これまで、AI競争の中心は半導体の製造プロセスだった。より強力なGPUを作った企業が勝者だった。しかし今、ゲームのルールは変わりつつある。チップ同士を結ぶ最も広く、最も速く、最も省電力な道を握る企業こそが、次世代AI工場の効率の上限を決めることになる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News