不完全な停戦で「現状が永続化」も、平和評議会ガザ特使が警告
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【5月22日 AFP】米国のドナルド・トランプ大統領が立ち上げた、パレスチナ自治区ガザの暫定統治を監督する国際機関「平和評議会」のガザ担当上級代表ニコライ・ムラデノフ氏は21日、分断され荒廃した同地域における不完全な停戦を含む現状が、「永続的な」現実となるリスクがあると警告した。
平和評議会は、国連安全保障理事会への初報告書の中で、イスラム組織ハマスが武装解除と統治権の放棄を拒否していることが、停戦合意の第2段階へと移行する上での「主な障害」であると指摘した。
しかしながらムラデノフ氏は、合意の履行は「パレスチナ側の義務を果たすことだけで進めることはできない」と安保理に対して語った。
イスラエルによる空爆が続き、イスラエル軍とハマスの双方が互いに停戦違反を非難し合う中、ガザは依然として日々の暴力にさらされている。
ビデオ会議を通じて出席したムラデノフ氏は、「絶え間ない殺害や、人道支援物資の流入に影響を与えているイスラエルの制限は、抽象的な問題ではない」と述べた。
依然として死者数が増加するような停戦違反が、ガザの安全と復興が現実のものとなるかどうかについて、パレスチナ人の信念に影響を与えているとムラデノフ氏は指摘し、「当事者たちが行動を起こさないことによるリスクを、明確にしておきたい」「そのリスクとは、悪化する現状が永続化することだ。つまり、ガザが分断され、ハマスが領土の半分にも満たない地域で200万人の人々に対し、軍事および行政の支配権を握り続けるということである」と述べた。
「人々はがれきの中に閉じ込められ、意味のある再建が行われないまま援助に依存することになる。なぜなら、武器が放棄されない限り、再建資金は流れないからだ」
ハマス報道官のハゼム・カッセム氏は、ムラデノフ氏の発言はハマスに「圧力」をかける試みだと非難し、「イスラエル側の主張を受け入れ、ガザ占領の正当性を図る試みだ」と声明で述べた。
一方でイスラエルのジョナサン・ミラー国連次席大使は安保理で、ハマスが「遅れを利用して支配を強化し、能力を再構築し、民間人への支配を強めている」と非難。「外交へと移行しつつある政治組織などではない」「次の戦争に備えて能力を維持しているテロリストの軍隊だ」と述べた。(c)AFP