【5月24日 東方新報】春から夏へ移る時期は、鳥たちの求愛や繁殖が最も盛んになる季節だ。この時期になると、中国の都市にある公園では、双眼鏡を手にした人や望遠レンズを担いだ人たちの姿がよく見られる。近年の新たな変化は、そこに加わる若者がますます増えていることだ。あるSNSでは、「バードウォッチング」に関する話題の閲覧数が9億1000万回に達し、投稿やコメントなどの関連議論も900万件近くに上っている。バードウォッチングは今、若者に支持される新しいライフスタイルになりつつある。

では、なぜ若者たちは次々と「鳥を追う」ようになったのか。

一番の理由は、自然に親しみ、鳥を観察する中で、バードウォッチングが不安を和らげ、心身を癒やす優れた方法だと感じるようになったことにある。速いテンポと大きなストレスにさらされる都市生活の中で、人びとは「自然欠乏症」ともいえる状態に陥りやすい。バードウォッチングは、そんな日常の中で立ち止まるきっかけを与え、身近な草木や生き物の美しさを再発見させてくれる。

研究でも、鳥を見ることや鳴き声を聞くことによる視覚・聴覚の刺激は、不安感を和らげ、美的な楽しみを高めるとされている。鳥の種類が豊かな環境は、都市住民のメンタルヘルス不調のリスク低下にもつながるという。かつて私たちは、生態系の回復を「自然に基づく解決策」と呼んできた。今、人々は「自然療法」によって自分の心を整えようとしている。

バードウォッチングの人気は、外部環境の後押しとも切り離せない。各地でバードウォッチング協会が盛んに活動し、初心者に向けた指導や交流の場を提供している。SNSでは観鳥に関する投稿やテーマイベントが広がり、小さな趣味だったものが多くの人に届くようになった。カメラや観察用品も軽量化し、手に取りやすくなったことで、始めるハードルは下がっている。さらに、著名人が公益動画を撮影したり、自然観察活動に参加したりする動きも増えている。こうした要因が重なり、バードウォッチング人口は急速に広がっている。

注目すべきなのは、バードウォッチングが単なる余暇活動にとどまらず、中国の生物多様性保護にも新たな力を注いでいることだ。

鳥類は分布範囲が広く、数も多く、渡りの距離も長いため、調査の難度が高い。研究機関や保護団体の限られた人員だけで、効率よく研究を進めるのは難しい。そこで、拡大するバードウォッチング愛好家の存在が、公民科学という形でさまざまな保護活動を支えるようになっている。例えば、鳥が建物に衝突して死ぬ「バードストライク」問題では、全国防鳥撞行動ネットワークが4年間で6000人以上のボランティアを動員し、16万回を超える調査を実施した。その結果、多くの専門的な研究報告や学術成果が生まれ、都市における鳥に優しい建築設計や、人と自然が共生する環境づくりの重要な参考となっている。

今この瞬間にも、東シナ海の無人島、青海チベット高原の三江源、中国東部の沿岸干潟などで、多くの自然愛好家がボランティアとして活動し、鳥類の調査、モニタリング、保護に取り組んでいる。彼らの熱心な参加が、専門的な研究だけでは届きにくい空白を少しずつ埋めている。

同時に、「鳥を愛し、守る」ことは、社会全体の共通認識と自発的な行動になりつつある。SNSでは、巣から落ちたひな鳥の救助といった身近な出来事から、鳥の生息地が侵される深刻な問題まで、すぐに多くの人の関心を集める。人びとは知恵を出し合い、保護を呼びかけ、誰もが鳥に関心を持ち、共に生態環境を守ろうとする良い雰囲気が生まれている。

若者たちが野外へ出かけて「鳥を追う」ようになった背景には、美意識の変化、ライフスタイルの進化、そして生態保護意識の目覚めがある。バードウォッチングを好きになり、自然を読み解く人が増えれば、社会には自発的な生態環境の守り手が増えていく。

現在、中国では自然保護地体系の整備が進み、誰もが鳥を観察しやすい環境が整いつつある。気候も良く、万物がいきいきと動き出す季節だ。画面の前にいるあなたも、室内を出て自然の中へ足を運び、飛ぶ鳥たちの美しさに出会ってみてはどうだろうか。(c)東方新報/AFPBB News