イスラエルによるパレスチナ人被拘禁者への性暴力「横行」、男性も被害 米紙報道
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【5月13日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズは11日、イスラエルの刑務官、兵士、入植者、尋問官によるパレスチナ人被拘禁者に対する性暴力が「横行している」と報じた。
この調査報道は、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で収集された男女14人の証言に基づいている。14人は、イスラエルの入植者または治安要員から性的暴行を受けたと証言している。
イスラエル軍は、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによる攻撃をきっかけにパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を開始して以来、ヨルダン川西岸でパレスチナ人数千人を拘束している。
ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ニコラス・クリストフ氏によるこの調査報道は、「兵士、入植者、国内治安機関シンベトの尋問官、そして何よりも刑務官による、男性、女性、さらには子どもに対するイスラエルによる性暴力の横行」を詳述している。
報告報道によると、「イスラエル指導部がレイプを命じたという証拠はない」。だが、同報道は昨年3月に発表された国連報告書を引用し、性暴力がイスラエルの「標準作業手順(SOP)」と化していると指摘している。
14人のうちの一人(男性)はゴム製の警棒で性的暴行を受けたと証言し、別の一人(男性)は女性看守に男性器を強く握られ、激痛のあまり叫び声を上げたと証言した。
イスラエル当局はパレスチナ人被拘禁者を釈放する際、こうした処遇について口外しないようくぎを刺しているという。
調査報道は、「保守的な社会規範も議論を阻害している」と指摘し、自身がレイプされたことを認めれば姉妹や娘たちが結婚できなくなると訴えた男性被害者2人の例を挙げている。
イスラエル外務省はX(旧ツイッター)で調査報道を強く否定し、「巧妙に仕組まれた虚偽の反イスラエルキャンペーンの一環だ」と非難。
同省は調査報道を「現代の報道機関に現れた最悪の血の中傷の一つ」と呼び、「理解し難い現実の逆転と、根拠のないうその絶え間ない流布によって、プロパガンダ工作員のニコラス・クリストフは被害者を加害者に仕立て上げた」と述べた。
イスラエルの独立調査委員会が12日に公表した報告書は、ハマスとその同盟勢力が2023年10月7日の攻撃時にイスラエル人に対して、そしてガザに連れ去った人質に対して「組織的かつ広範な」性暴力を振るったと結論付けた。
ハマスは2023年以来、性暴力疑惑を繰り返し否定している。
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は2月、2023年10月から2026年1月にかけてイスラエルの刑務所に入れられたパレスチナ人ジャーナリストに対する性暴力を含む「組織的な虐待」を非難した。
これに対しイスラエル軍の報道官は当時、パレスチナ人被拘禁者は「国際法に従って」扱われていると反論した。(c)AFP