韓国でメタ・ネットフリックスが法人税訴訟に相次ぎ勝訴…ビッグテック課税にブレーキ
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【05月11日 KOREA WAVE】ネットフリックスとメタが、韓国の課税当局を相手取って起こした法人税取り消し訴訟で相次いで勝訴した。これを巡り、多国籍企業が精巧に設計した取引構造を、現行の税法体系では規律できなかったとの指摘が出ている。
ソウル行政裁判所は4月23日、メタ・アイルランド法人が駅三税務署長を相手取って起こした法人税賦課処分取り消し訴訟で、原告一部勝訴の判決を下した。
裁判所は、駅三税務署長がメタの広告販売所得に賦課した法人税と付加価値税部分を取り消すよう命じた。
メタは2010年11月、フェイスブックコリアとフェイスブック、インスタグラムの広告販売およびマーケティングサービス契約を結び、一定額を支払った。フェイスブックコリアは2019年11月、韓国国内の広告主に広告を再販売し、法人税を納付し始めた。
課税当局は、メタがフェイスブックコリアを通じて広告を販売するなど、韓国国内に恒久的施設を置いているとみなし、職権で事業者登録をした。
駅三税務署は、フェイスブックコリアがメタの韓国国内恒久的施設にあたると判断し、メタの広告販売所得に法人税と付加価値税を賦課した。
メタ側は、韓国での業務は予備的、補助的な活動に過ぎず、韓国法人は別の事業を遂行しているだけだと反論した。
裁判所はメタ側の立場を認めた。裁判所は「韓国法人がフェイスブックなどのプラットフォーム開発と運営に関与したことはない」とし、「広報および販促活動は、特別な事情がなければ事業活動の本質的で重要な部分ではなく、補助的活動に該当する」と判断した。
これは最近言い渡されたネットフリックスの法人税取り消し訴訟判決とも軌を一にする。裁判所は両事件で、韓国法人には課税基準となる「本質的権限」がないという企業側の論理を受け入れた。
ソウル行政裁判所は4月、ネットフリックスコリアが鍾路税務署長を相手取って起こした法人税など賦課処分取り消し請求訴訟で、原告一部勝訴の判決を下した。
裁判所は、ネットフリックスに賦課された税額約762億ウォン(約83億8200万円)のうち、約687億ウォン(約75億5700万円)を取り消すよう命じた。これは鍾路税務署長が賦課した源泉徴収分法人税部分だ。
ネットフリックス側は、コンテンツ提供の主体は海外法人であり、韓国法人は利用者にサービスを仲介、販売する役割にとどまると主張した。関連収益も海外で発生しており、韓国法人は課税対象ではないという趣旨だ。
裁判所がグローバル企業側の主張を認めた背景には、精巧に設計された「手数料精算契約」がある。
メタは、韓国国内の広告主がアイルランド本社に直接広告費を決済するようにした。フェイスブックコリアは、本社から運営費に一定のマージンだけを上乗せした「役務手数料」を精算されるにとどまった。
ネットフリックスは、韓国法人が韓国国内の購読料売り上げを得るよう設計した。韓国法人はマーケティング費用と約定された営業利益だけを受け取り、残りの売り上げを本社に手数料として送金した。
どちらの方式も、韓国法人を独自の収益創出主体ではなく、本社事業を代行し固定マージンだけを受け取る「補助的支援主体」と位置づけるものだ。こうした構造は、韓国国内で高い売り上げを出しながらも課税を回避する「法理上の盾」として働いた。
学界からは、司法府が多国籍企業の設計した精巧な手数料構造を機械的に認め、租税回避を放置したとの批判が出ている。
ソウル市立大学税務学科のキム・ウチョル教授は「今回の判決の本質は、裁判所がビッグテック企業の巧妙な『手数料』送金契約構造を実質的取引として受け入れた点にある。実質的には明白な所得移転行為であるにもかかわらず、裁判所が契約書の形式論理にとらわれ、免罪符を与えた格好だ」と声を強めた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News