【5月2日 AFP】色鮮やかなハトの絵がステージの背景を飾り、エルサレム青少年合唱団がヘブライ語とアラビア語で歌声を披露し、「人民平和サミット」のメインイベントが幕を開けた。

今年で3回目となるこの年次イベントは4月30日にイスラエル・テルアビブで開催され、数百人が参加した。

このサミットは、イスラエルとパレスチナの紛争を両民族の自決権を保障する合意によって終結させるために活動する80以上の団体から成る「It's Time」連合が主催した。

会場の雰囲気は、揺るぎない希望に満ちていた。

参加者たちは、10月までに実施される総選挙を控える中、イスラエル史上最も右寄りの連立政権の下で左派の活動がますます困難になっていることを認めた。

ある講演者は壇上でこう述べた。「平和はタブーになってしまった」

アヒノアム・ニニ氏(56)はAFPに対し、「楽観的になれる理由は常にある。そして、平和のために努力する正当な理由も常にある」と語った。

ニニ氏は、イスラエルを代表する歌手の一人で、同国の平和運動の顔としても知られている。芸名はノア。

イスラエルが依然として複数の戦線で戦争を続ける中、国内でも闘いが繰り広げられているとニニ氏は主張。

「私たちは自由民主主義国家を目指して闘っている。選挙が近づくにつれ、状況はますます悪化するだろう」と述べた。

このサミットはイスラエルとパレスチナの共同イベントとして企画されたが、参加者の大半はイスラエルの平和運動のベテランで、長年の活動を通じて知り合った人々が多かったようだ。

ピース・ナウ、スタンディング・トゥギャザー、遺族フォーラムなどの団体は、メインホールにブースを設置し、活動内容の宣伝やグッズ販売を行っていた。

パレスチナ自治区ヨルダン川西岸やと同自治区ガザ地区の活動家たちは、許可を取得できず参加できなかった。2023年10月7日のイスラム組織ハマスの攻撃とその後のガザ紛争以来、許可はほぼ取得不可能となっている。

だが、数十人の青年運動のメンバーと、イスラエル在住のパレスチナ人が参加した。

イスラエル北部カフルマンダ在住の教師、タハニ・アブド・アル・ハリムさん(44)は、「すべての平和運動が団結しなければ、この国の状況は困難になるだろう。私たちは政権に影響力を与えられる存在になろうと努力している」「変化が必要だ。二つの民族が共存しなければならない。そして政権にはユダヤ人だけでなく、アラブ人も含むべきだ」と述べた。

メインイベントに先立って行われたパネルディスカッションの一つで、フランスのジャンノエル・バロ外相からのビデオメッセージが上映され、イスラエルとパレスチナという二つの民主国家が平和と安全の中で共存する2国家解決をテーマとした国際会議を、前回の会議から1年後の6月にフランスが開催することが発表された。

イスラエルメディアはこのイベントをほとんど報じなかった。これは、平和運動がイスラエルにおいていかに周縁的な存在になっているかを如実に物語っている。

右派の国会(クネセト)議員だけでなく、中道派の主流政党の議員も参加しなかった。

左派やアラブ系の国会議員数人が出席し、その中には極左政党ハダッシュ・タアルのオフェル・カシフ議員(61)の姿もあった。

カシフ氏はAFPに対し、「最悪の事態も覚悟しているが、最善の結果を期待している」と語った。

「われわれがこれまで試みてきたことは、信念を追求し、この国、この土地、そして中東全体の両民族にとってより良い未来を実現するために、できる限りのことをすることだ」「最終的にはわれわれが勝利すると信じているが、問題はそれがいつになるかだ」と付け加えた。(c)AFP