【4月30日 AFP】インドネシアは、絶滅危惧種である世界最大級のトカゲ「コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)」の繁殖を目的として雄雌2頭を日本に貸与する。インドネシアのスラバヤ動物園と静岡県河津町の体感型動物園「iZoo(イズー)」が29日に締結した覚書に基づくものだ。

動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」に批判されているが、覚書はこのプロジェクトの保全上の意義を強調している。

貸与期間は5年間で、更新も可能とされる。

覚書に基づき、スラバヤ動物園はイズーからレッサーパンダ雄雌2頭、キリン雄雌2頭、アルダブラゾウガメ4頭、ニホンザルの雌2頭を受け取るという。

イズーの白輪剛史園長は調印式で、これは単なる動物交換ではなく、日本とインドネシアを結ぶ架け橋だと述べた。

インドネシア環境省は今月出した声明で、このプログラムの主目的は「長期的な保全」だと述べている。

一方、PETAアジアは、日本で生まれたコモドオオトカゲの子どもは「生涯にわたって監禁される運命にある」と懸念を表明している。

PETAアジアのジェイソン・ベイカー会長は声明で、「真の保全とは、コモドオオトカゲをあるべきところ、本来の生息地で守ることであり、政治的な見せかけや広報活動のために輸出することではない」と述べた。

インドネシア環境省は、自然生息地におけるコモドオオトカゲの保護が「最優先事項」だとしている。

インドネシア森林局のアフマド・ムナウィル局長は調印式で、「この協力によって、より多くの日本人観光客がインドネシア、特にコモド国立公園を訪れ、自然の生息地でコモドオオトカゲを観察できるようになることを期待している」と述べた。

絶滅危惧種の国際取引を規制するワシントン条約(CITES)では、このような非営利の繁殖目的の移送は認められている。

国際自然保護連合(IUCN)によると、2019年の最新調査時点で、世界のコモドオオトカゲの個体数は成体と幼体合わせて約3458頭だった。

体長3メートル、体重90キロにも達するコモドオオトカゲは、人間活動や気候変動による生息地の破壊によって絶滅の危機にひんしている。(c)AFP