【4月29日 AFP】米国を公式訪問中のチャールズ英国王は28日、ホワイトハウスでの晩さん会で、ドナルド・トランプ米大統領に対し、英国がいなければ、米国人はフランス語を話していただろうと冗談を飛ばした。

晩さん会での乾杯の際に冗談を交わす中、チャールズ国王は、欧州諸国が第2次世界大戦後、十分な防衛費負担をせず米国に負担を押し付けて「ただ乗り」していると批判するトランプ氏の過去の発言に言及した。

「大統領閣下、あなたは先日、米国がいなければ欧州諸国はドイツ語を話していたと発言した。あえて言わせてもらうと、英国がいなければ、あなた方(米国人)はフランス語を話していただろう」と皮肉たっぷりに述べた。

250年前の米国独立以前、北米では植民地大国である英国とフランスが支配権をめぐって争っていた。

トランプ氏は1月にスイス東部ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、第2次世界大戦で米国の支援がなければ、「あなた方はドイツ語と少しの日本語を話していただろう」と発言した。

だが、チャールズ国王の軽い冗談は、対イラン軍事作戦をめぐる緊張にもかかわらず、「特別な関係」にある英米の親睦を深めた和やかな雰囲気を反映していた。

チャールズ国王はさらにトランプ氏をやゆするジョークを飛ばし、ホワイトハウス東棟の「再建」に気づかずにはいられなかったと述べた。東棟は、元不動産王であるトランプ氏が4億ドル(約638億円)をかけて巨大なボールルーム(宴会場)を建設するために解体した。

「申し訳ないが、私たち英国人も1814年にホワイトハウスの不動産再開発を試みたことがある」と、英国兵がホワイトハウスに火を放ったことを引き合いに出して述べた。

チャールズ国王はまた、この晩さん会は「(1773年に英本国の茶法に反発した植民地の人々が東インド会社の船を襲撃し、積み荷の茶箱342箱を海に投げ捨てた)ボストン茶会事件よりははるかに改善された」という冗談も飛ばした。

トランプ氏はチャールズ国王に反発せず、ユーモアのほとんどを国内の標的に向けた。トランプ氏の母親は英スコットランド出身で、大の英王室ファン。

トランプ氏は、「チャールズ国王が本日議会で素晴らしい演説をされたことを心からお祝い申し上げる」「彼は民主党議員を立ち上がらせた。私にはできなかったことだ」と述べた。

チャールズ国王は、第2次世界大戦中の1944年に進水した英潜水艦「トランプ(HMS Trump)」の鐘をトランプ氏に贈呈した。

「この鐘が、両国の共有する歴史と輝かしい未来の証しとなることを願う。私たちに連絡を取る必要があれば、遠慮なく電話してほしい」と拍手喝采の中で述べた。(c)AFP