エホバの証人を「破壊的なセクト」と呼ぶのは表現の自由の範囲内 スペイン裁判所
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【4月24日 AFP】スペインの裁判所は、宗教団体「エホバの証人」を批判する人々が同団体を「破壊的なセクト」と表現しても名誉毀損(きそん)となるリスクはないとの判断を下した。これは表現の自由を根拠としている。
戸別訪問による伝道活動で知られるエホバの証人は、同団体の活動を批判する人々に対し度々訴訟を起こしてきた。
マドリード地方裁判所は、2023年にスペイン・エホバの証人被害者協会(AEVTJ)に有利な判決を下し、同協会によるエホバの証人への公然の批判は、名誉や評判に対する権利を不当に侵害するものではないと判断した。
AFPが21日に確認した4月16日付の判決によると、裁判所は、エホバの証人を「破壊的なセクト」と表現することは、たとえエホバの証人にとって不快な表現であっても、スペイン法で保護される表現の自由の範囲内だと述べた。
エホバの証人に所属すると「健康を害し、人々の生命を危険にさらし、犠牲者を生み出す」という主張も、「たとえ不快であったり、人を傷つけるものであったりしても」表現の自由の範囲内だと付け加えた。
この訴訟は、スペインのエホバの証人信者6人が、AEVTJの名称に「被害者」という言葉が使われていることが名誉毀損に当たるとして、AEVTJの解散を求めて起こした訴訟に端を発している。
AEVTJの代理人を務めるカルロス・バルダビオ弁護士は、この判決を前例のないものだと述べた。
「正式に宗教として登録されている宗教であっても、『破壊的なセクト』と表現できるとされたのは、この国では初めてのことだ」と語った。
2019年に設立されたAEVTJは現在、740人の会員を擁しており、その中には現役のエホバの証人信者も含まれている。
AEVTJのサミュエル・フェランド会長はAFPに対し、今回の判決に「大変満足している」として、「私たちの声と自らを被害者と定義する権利が認められた」と語った。
「そして、エホバの証人の多くの行為が危険なセクトと呼べるものであることを証明した。これまで、彼らをセクトと表現するメディアは、エホバの証人から訴訟を起こされるリスクを負っていた」と付け加えた。
この判決はまだ確定しておらず、スペイン最高裁判所に上告される可能性がある。
1870年に米ペンシルベニア州でチャールズ・テイズ・ラッセル牧師によって創設されたエホバの証人は、世界中に約900万人の信者がいると主張している。
同団体は非暴力を説き、血液は神聖なものであると信じ、輸血に反対している。
過去数十年間、病気の子供への輸血を拒否する親の事例が数多く報道されてきた。
これは千年王国(ミレニアリズム)思想に基づく宗教であり、信者たちは世界の終末に当たり、イエス・キリストが再臨して地上を1000年間支配し、平和と安息をもたらすと信じている。
また、棄教が困難だと批判されており、元信者の中には、同宗教にとどまるよう精神的な圧力を受けたり、棄教後に疎外されたりしたと証言する人もいる。(c)AFP