トランプ氏、黒人を「低IQ」と侮辱 人種差別まがいの陰湿な当てこすり
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■「言い逃れの余地」
いわゆる「人種科学」──IQは人種特性に影響されるという、すでに誤りと証明されている理論──は、長らく極右のチャットルームでくすぶっていたが、今や数百万人の視聴者を抱えるより大手のメディアにも浸透しつつある。
今月ポッドキャスト番組「ザ・ベニー・ショー」で、右派の司会者ベニー・ジョンソン氏が共和党議員らと、一部の「第三世界」からの移民が米国文化になじまない問題について語り合った際、移民流入を抑制する理由として、知的能力の欠如を示唆するかのような発言をした。
ユーチューブのチャンネル登録者数600万人を誇るジョンソン氏は、「ソマリアの平均IQは70前後で、これは知的障害(IQ70未満)の境界線だ」と述べた。
コーネル大学のロバート・スターンバーク教授(心理学)はAFPの取材に対し、IQテストは「過大評価」されているが、現実世界の結果を予測する上では「中程度」の有用性しかないと語った。
いずれにせよ、こうしたIQテストは、素人議論あるいは人種差別的な議論に、科学的な体裁を与えるのに役立っている。
トランプ氏と南部フロリダ州にある私邸「マールアラーゴ」で会食したこともある白人至上主義者のニック・フエンテス氏をはじめとする極右コメンテーターは、トランプ氏よりも過激な見解を公然と主張しているが、トランプ氏本人が直接的な人種差別発言をすることはほとんどない。
アンダーソン氏は、「『低IQ』のような婉曲表現を用いることで、話し手と聞き手の双方に『言い逃れの余地』が生まれる」と指摘。
「つまり、トランプ氏とその聴衆は、『低IQ』という言葉は誰にでも当てはまるので、人種差別的な意味合いはないと言うことができる」と付け加えた。
アンダーソン氏は、「しかし、トランプ氏が主として黒人に対してこの表現を使い、19世紀以降の米国文化において黒人がどのように扱われてきたかという非常に具体的な歴史と結びつけて用いる場合、トランプ氏の聴衆の中にいる白人至上主義者や、自覚なき人種差別主義者は好意的に反応するだろう」と述べた。
一方、トランプ氏が20日に「IQがとにかく低い人」と酷評したジェフリーズ氏は左派系ケーブルニュースネットワークMS NOWで、次のように反論した。
「本当に皮肉なことに、ドナルド・トランプこそがペンシルベニア通り1600番地(ホワイトハウス)に座った人物(歴代大統領)の中で、最も愚鈍な人であることは明らかだ」。(c)AFP