【4月23日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は今週、米国で最も著名な黒人であるケタンジ・ブラウン・ジャクソン最高裁判事と下院民主党トップ、ハキーム・ジェフリーズ院内総務を攻撃した際、特に侮辱的な表現「低IQ(知能指数)の人(low IQ person)」を使った。

トランプ氏はいつも人を侮辱してばかりいるが、米国では明確な人種差別的なニュアンスを含む「低IQ」という表現は、特に不快感を与えるものだ。

トランプ氏は22日、名門ハーバード大学出身で、黒人女性として初めて最高裁判事に就任したジャクソン氏を「どういうわけか判事の座に就いた、あの新しい低IQの人」と攻撃した。

トランプ氏は、ジャスミン・クロケット下院議員、アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員、アル・グリーン下院議員、ラシダ・タリーブ下院議員、マキシン・ウォーターズ下院議員といった有色人種の民主党議員に対しても同様の攻撃を繰り返している。

ソマリア出身のイルハン・オマル下院議員(ミネソタ州選出)を個人攻撃する一方で、アフリカ東部「アフリカの角」4か国(ソマリア、ケニア、エチオピア、ジブチ)出身の移民(外国人)を「低IQの人々」とレッテルを貼ってきた。

「低IQ」という侮辱表現は、かつての盟友マージョリー・テイラー・グリーン元下院議員や、対イラン軍事作戦を批判したコメンテーターのタッカー・カールソン氏やメーガン・ケリー氏ら、トランプ氏が「敵」とみなした白人に対しても使っている。

だが、より頻繁にこの表現を使っているのは、有色人種、特に黒人女性に対してで、2024年大統領選で対立候補だったカマラ・ハリス前副大統領を「ばか」「まぬけ」「超低IQの人」と呼んだ。

専門家によると、「低IQ」という侮辱表現は、白人至上主義者が黒人の知能は低く肉体労働に適していると主張してきた歴史を踏まえると、特に黒人コミュニティーに不快感を与えるものだという。

コロラド州立大学のカリン・バスビー・アンダーソン教授(コミュニケーション学)はAFPの取材に対し、「トランプ氏が有色人種を『低IQ』と表現するのは、米国で長い歴史を持つ人種差別まがいの陰湿な当てこすりだ」と語った。

英植民地時代と奴隷制度廃止前、「白人男性のエリート層は、自分たちは女性や有色人種よりも認知的に優れており、指導者として神から選ばれた存在だと当然のように考えていた」という。

トランプ氏が最近この表現を繰り返し用いていることは、米国の極右勢力が遺伝学や骨相学(頭蓋骨の大きさや形を知能の指標とするえせ科学)に執着する傾向と一致する。

「トランプ氏の2期目に入って、骨相学への関心が再燃している」とアンダーソン氏は指摘した。