大規模火災から5か月、住民らが初めて一時帰宅 香港
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【4月20日 AFP】昨年11月に香港北部で発生した高層集合住宅の大規模火災で住居を失った住民らが20日、現場に残されていた荷物などを持ち帰るため、火災後初めてそれぞれの部屋に戻った。
香港北部大埔の高層住宅で11月に起きた火災は、過去数十年で最も多くの死者を出した。複合施設の8棟のうち7棟を焼き尽くし、168人が死亡した。
住民約6000人は、20日から順次自宅に戻り、荷物をまとめて持ち出すことが許可されている。それぞれに3時間の一時帰宅枠が設けられた。全1700部屋に対応する必要があるが、当局は5月初めまでにこの措置を終わらせたい考えだ。
AFPの記者は、住民が政府が手配したシャトルバスから降りて団地に到着する様子を確認した。
消防当局は920戸以上の住宅が損傷し、一部は火災で完全に破壊されたことを報告しており、当局は住民らに対し、目の当たりにする光景に動揺する恐れがあるとして注意を促している。
政府当局が公開した画像には、天井や壁が崩壊し、焼け焦げた部屋の様子や、内部ががれきで散乱している部屋の様子が捉えられていた。
火災が起きた地区は現在「危険区域」として封鎖されており、建物の構造が損なわれた場所では補強工事が行われている。そのため、帰宅する住民には、マスクやヘルメット、手袋の着用が求められた。
■「離れたくない」
住民の一人、ハリー・レオンさんは、部屋に戻ることに対して複雑な感情を抱いているとAFPに語った。
人生の大半を過ごした部屋を見たいと思う反面、3時間というのはあまりにも短いと失望を口にした。
香港当局は、同地での複合施設再建は「現実的ではない」とし、現在、火災前の市場価格で各部屋を買い戻すことを提案している。
レオンさんは「実際には政府の提案を受け入れたくない人がかなりいると思う。ただ、他に選択肢がない。受け入れざるを得ない」と語り、「選べるなら本当は離れたくない」と続けた。
5月に一時帰宅を予定しているというベティ・ホーさんは、30年以上住んでいた部屋から最も持ち帰りたいのは、子ども時代の写真が収められたアルバムだと言う。AFPには、家族の「一生の財産がその建物の中にある」のだと話した。
ホーさんは現在、被災住民のために設置された近くの仮設住宅で暮らしている。年末までの滞在が許可されているが、その後の住居の不確実性に直面し、不安と無力感を感じているといい、「追い出されるのか?どこに住む場所を見つけるのか?」とため息交じりにつぶやいた。(c)AFP/Tommy WANG